COP27:専門家が気候変動とSDGsのシナジー行動の主流化を議論

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  • 2022年11月18日     シャルム・エル・シェイク

    2022年11月16日、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)の専門家が、エジプトのシャルム・エル・シェイクで開催されている第27回気候変動枠組条約締約国会議(COP27)にて、気候行動とSDGs達成に向けた取り組みにシナジー(相乗効果)をもたらしていく方法について議論するイベントに登壇しました。

    本イベントには、2022年7月に東京の国連大学(UNU)で開催された「第3回パリ協定とSDGsのシナジー強化に関する国際会議」に参加した専門家やステークホルダーが集い、会議での主要な提言を振り返って、2023年に開催される「国連持続可能な開発目標に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)」や国連総会、COP28などの政府間協議プロセスを活用して気候変動とSDGsのシナジー行動の主流化を進めるための方策について議論を行いました。

    本イベントは、COP27のSDGsパビリオンにて、国際連合経済社会局(UNDESA)と国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局主催のもと実施され、日本環境省、地球環境戦略研究機関(IGES)、国際応用システム分析研究所(IIASA)、アフリカ開発銀行、Investec、国連気候変動枠組条約子どもと若者団体(YOUNGO)先住民族ユースの代表者らが登壇しました。

    Photo: UN DESA

    UNU-IASの竹本明生プログラムヘッドはパネルセッションに登壇し、公正な移行こそがシナジー行動の中核であることを強調しました。そして、脆弱な立場の人々のクリーンエネルギーへのアクセス支援、メガソーラーなどの土地開発への市民の関与、生物多様性の喪失やレアメタル採掘による環境汚染への対処、グローバルな食料システムへの取り組みなどの例を挙げました。また、最近UNU-IASが金沢市や渋谷区と連携して行ったユース参画の取り組みを紹介し、ユースのエンパワーメントの重要性を強調しました。さらに、UNU-IASが大学院学位プログラムにおいてパリ協定専攻を創設を通じて専門家の人材育成に貢献することに言及しました。

    他の登壇者は、トレードオフ(両立不可能性)を最小化しシナジーを最大化するための適切なモニタリングを伴う科学的根拠に基づいたアプローチや、資金調達における統合的なアプローチ、ユースが解決策の一員として力を発揮できるようなボトムアップの計画策定、若者や脆弱な立場の人々への情報アクセス改善の必要性を強調しました。