「第3回パリ協定とSDGsのシナジー強化に関する国際会議」で相乗的行動の強化の必要性を議論

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  • 2022年7月25日     東京

    Photo: 環境省

    2022年7月20日および21日に、東京のUNU会議場およびオンラインで2,000人を超えるリーダーや専門家が参加し、気候行動と持続可能な開発に関する行動の相乗効果(シナジー)について議論を行いました。世界各地からの参加者が、相互に関連するこのグローバルな優先課題に対する取り組みを調整し整合性を高めるための方策を明らかにし、それぞれの知見や優良事例、シナジーをもたらす解決策を共有しました。

    この「第3回パリ協定とSDGsのシナジー強化に関する国際会議」は、国連経済社会局(UNDESA)および国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局が共催したもので、環境省がホストし、UNUおよび公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)の協力により行われました。

    開会挨拶で国連大学(UNU)の白波瀬佐和子上級副学長は、シナジーを最大化し、トレードオフ(両立不可能性)を最小化する解決策を特定し実施することが急務であると強調しました。ハイレベルセグメントに登壇した各国の大臣や国連機関・組織の長、ビジネスリーダー、科学者、ユースの代表たちは、SDGsと気候変動対策により野心的に取り組むよう求めました。喫緊に、資金や能力開発などのギャップを解消し、共同的実施を強化する必要性が強調されました。

    パラレルセッションでは、相乗効果を生み出すパートナーシップの構築、資金調達・技術革新による障壁の克服、シナジーの活用と野心的なギャップの解消、測定・報告・検証といったテーマで議論が交わされました。UNU-IASは、「誰一人取り残さない」解決策を確実なものとする責務を強調し「公正な移行の確保、エンパワーメントの実現、知識とスキルの向上」というテーマでセッションを主催しました。SDGsの社会的側面は、気候行動を可能にする決定的な要素であるにも関わらず、各国の気候計画において軽視されがちであるとの指摘がなされました。参加者は、公平と正義をすべての決定の最重要事項に位置付けること、政策策定過程を通じた包摂性を確実なものとすること、短期主義を回避することの必要性を強調しました。

    UNU-IASはまた、自然を基盤とした解決策としての生態系回復と、地域の行動を加速するための多様なステークホルダー間連携の役割をテーマにサイドイベントを開催しました。

    会議初日のマルチステークホルダーセッションとシーンセッティング対話では、様々な登壇者が参加し、経験や教訓を共有しました。日本国環境大臣が国内の脱炭素先行地域の取り組みを紹介し、選定された26地域から参加した数名の代表者が発表を行いました。

    最終セッションでは、国連大学欧州事務所副学長、環境・人間の安全保障研究所(UNU-EHS)のシェン シャオメン所長が、会期中に議論された多様な解決策を取り上げつつ、閉会挨拶を述べました。

    会議の詳細な概要は、UNDESAの会議ウェブサイトで公開される予定です。一連の特集、ビデオ、写真は、IISD Earth Negotiations Bulletinでご覧いただけます。

    背景

    本会議は、過去2回の会議の内容と成果を踏まえて開催されました。第1回会議は2019年4月にコペンハーゲンで開催され、第2回会議は2020年5月から6月にかけて、3つのオンラインイベントの形で開催されました。