ポストコロナ社会の持続可能な地域とDXを議論

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  • 2021年2月24日

    UNU-IASは、2月16日、環境省、地球環境パートナーシッププラザとともに、オンラインシンポジウム「ポストコロナ社会を生き抜く地域の知恵と持続可能性-新たな地域循環共生圏(ローカルSDGs)の創造-」を共催しました。

    このシンポジウムでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)やSDGsのローカル化を通じた自立・分散型社会のまちづくりについて、専門家や「いしかわ・かなざわオペレーティングユニット(UNU-IAS OUIK)」が実施する地域での取り組み事例から、ポストコロナ社会の持続可能な地域とDXについて議論を行いました。

    冒頭の挨拶で登壇した中井徳太郎環境省環境事務次官は、脱炭素社会への移行、循環経済への移行、分散型社会への移行という3つの移行を通じて社会経済のリデザインを進め地域の自立した発展につなげたいと述べました。

    シンポジウム前半は、3名の専門家が持続可能な地域づくりとDXについて、事例を交えながら今後の展望を語りました。国立研究開発法人情報通信研究機構の村山泰啓氏は、新しいテクノロジーを社会の変革にいかすためには、包摂的な戦略を通じて、文化や組織や社会も一体的に変化する必要があると述べました。一般社団法人イクレイ日本の内田東吾氏は、海外の自治体ではDXを推進するまちづくりが進む一方で、情報格差対策や、セキュリティ面の課題が懸念されていると話しました。日経ESG編集の藤田香氏は、地域資源のデータ化やトレーサビリティの確保にICTが活用されている事例を紹介し、DXによって地域の課題を解決しながらサステイナビリティ向上に貢献できる可能性を示唆しました。

    後半は、ICTの活用や地域の多様なステークホルダーとのパートナーシップを通じてSDGs達成に貢献している5つの事例が共有され、広島県の「ひろしまサンドボックス」、大阪府枚方市の「Hirathonプロジェクト」、UNU-IAS OUIKの「IMAGINE KANAZAWA2030」 、一般社団法人WheeLogのバリアフリーマップ「WheeLog!」、株式会社あわえが行う徳島美波町での取り組みが紹介されました。UNU-IAS OUIKの永井三岐子事務局長は、UNU-IAS OUIK、金沢市、金沢青年会議所が連携して、地域のありたい姿を市民参加型で作り上げたプロセスを紹介し、SDGs達成に向けた取り組みを推進するにあたって、地域の未来ビジョンを共有することの重要性を強調しました。

    最後に武内和彦UNU-IAS上級客員教授が、シンポジウムの結果としてDXを中心に新しいパートナーシップの形が示されたと述べ、コロナ禍で加速したDXをポストコロナの持続可能な明るい未来の社会作りに繋げる必要性を強調し、シンポジウムを締め括りました。