いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(Operating Unit Ishikawa/Kanazawa: OUIK)は、生物多様性と生態系サービスの持続可能な活用に関する研究を行うため、石川県と金沢市の強力な支援により、2008年4月に設立されました。OUIKは、国連機関、学術機関、地方パートナーなどの他機関と協力し、持続可能な開発と国際協力のための国連大学の取り組みに必要な地域に根ざした情報を提供しています。
またOUIKは、パブリック・アウトリーチや能力強化を通じて、国際的動向に関する情報の共有を図るとともに、地域のステークホルダーとのコミュニケーションやネットワーク構築を目指しています。OUIKの研究活動は、以下の分野に重点を置いています。
この言葉は、日本の伝統的な農村の風景を表すものであり、里山・里海の概念は、豊かな生物多様性が人々を支え、その福利に貢献するといった、農村地域における人間と自然の相互関係に注目するものです。この研究活動の目標は、石川県の里山・里海がもたらす生物多様性と生態系サービスの重要性、ならびにそれが経済と開発に果たす貢献について、科学的に信憑性のある政策対応型の情報を提供することです。本研究グループは、生態系サービスの評価や自然資源の利用と管理に関し、現在進行中のイニシアチブについて議論するため、学者、地元の科学者、政府関係者を始めとする主要ステークホルダーを集め、専門家会合を開催してきました。この会合では、「日本の里山・里海評価(Japan Satoyama Satoumi Assessment: JSSA)」により示された成果、同評価により特定された知識ギャップ、ならびに石川県の能登地方を対象とした将来の里山・里海評価の調査項目といったテーマを中心に議論が行われました。その研究成果は、ワークショップ、会議、出版物という形を通じて、コミュニティと国際社会の双方で共有されることになります。
OUIKは、能登地方のさまざまなステークホルダーが関わる効果的な農村再生に向けて、地方レベルの適切な政策を明らかにすることを目的として研究を行っています。能登地方は、2011年6月に国連食糧農業機関(FAO)により世界重要農業遺産システム(Globally Important Agricultural Heritage Systems: GIAHS)に指定され、新たなビジネスモデルと付加価値生産物を考慮した持続可能な農業システムとして検証することができます。研究成果は国際会議やセミナーで周知され、研究報告書として発表されます。
この研究イニシアチブは、「生物文化多様性」の視点から、都市と農村の関係について検証することを目的としています。「生物文化多様性」とは、都市の創造的活動と農村の伝統的文化の双方を評価するものです。このイニシアチブでは、生物文化多様性と生物文化相互作用系の概念に基づく都市と農村の新たな関係を、都市計画における重要課題とみなしています。研究グループは、地域の生物多様性と文化多様性に関する事例を検証するための会合を開き、生物文化多様性の概念をいかにして地方自治体の環境政策に適用するかを議論しています。都市化とそれが環境に与える影響について独創的な解決策が生み出され、これらの研究成果は公開イベントや出版物を通じて周知されることになります。
詳細は、OUIKのウェブサイトをご覧ください。
076-224-2266
石川県金沢市広坂2-1-1
石川県政記念しいのき迎賓館3階
unu-iasouik@ias.unu.edu