COVID-19は、国境や業界を超えて、社会のあらゆる側面に影響を及ぼしており、パンデミックと幅広いサステイナビリティの課題が、密接につながっていることが明らかになってきました。この感染症危機は、この数十年間で初めての世界における貧困の増加を引き起こしており、持続可能な開発目標(SDGs)の進展を失速させ、場合によっては逆行させる恐れがあります。
UNU-IASは、人類と地球の持続可能な未来を実現するために設立された研究・教育機関として、 社会全体にもたらされたこれらの深刻な影響についての理解と対話の促進に努めています。本研究所は、既存および最新の研究を通じて、この危機を克服し、持続可能な社会の実現に向けた広範な社会変革を進めるため、政策による解決策に関する情報提供を行っています。
UNU-IASポリシーブリーフ『COVID-19など感染症対策として下水監視の強化する』
UNU-IAS、2022年4月
この新しいUNU-IASポリシーブリーフ(英題:Strengthening Wastewater Monitoring and Surveillance for COVID-19 and Other Infectious Diseases)は、感染症の早期発見とモニタリングのための費用対効果の高い戦略として、下水の監視拡大を提言しています。低中所得国に焦点を当て、国や地域の感染症サーベイランスの枠組みに下水監視システムを組み入れるための主な課題と機会を特定しています。
UNU-IASポリシーブリーフ『より良い復興に向けたランドスケープ・シースケープにおけるレジリエンス』
UNU-IAS、2021年11月
この新しいUNU-IASポリシーブリーフ(英題:Resilience in Landscapes & Seascapes: Building Back Better from COVID-19 )は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のような危機からの変革的な回復を促進するため、ランドスケープやシースケープにおけるレジリエンス(回復力)を強化するための提言をまとめています。特に、より良い復興に向け、グリーン・リカバリーを通じてレジリエンスを強化するための機会とアプローチに焦点を当てています。
『SDGsのローカライゼーションの進展へのCOVID-19の影響と機会(英題:COVID-19 and Progress on Subnational Localisation of the SDGs)』
国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)および都市・自治体連合アジア太平洋支部(UCLG ASPAC)、2021年9月
本レポートは、地方政府がCOVID-19の危機を克服しSDGsの実現に向けた努力を継続する中で直面している課題および機会を明らかにしたものです。インドネシア、マレーシア、フィリピンでの調査に基づき、都市や地域がCOVID-19からの回復戦略を策定し実施するうえでSDGsをどのように活用できるか分析しています。
『COVID-19パンデミックから1年後の高等教育(英題:Higher Education One Year into the Covid-19 Pandemic)』
国際大学協会(IAU)、2021年2月
UNU-IASは、国際大学協会(IAU)が発行したCOVID-19が高等教育に与える影響、特に課題や傾向に関する調査の新たな報告書において、調査に貢献し、アジア太平洋地域に焦点を当てた地域の視点に関する項の執筆に携わりました。本報告書は、世界112カ国における496の高等教育機関を対象に行われた調査に基づき作成されています。
『COVID -19 の高等教育への影響に関する地域的/国家的視点(英題:Regional/National Perspectives on the Impact of COVID-19 on Higher Education)』
国際大学協会(IAU)、2020年8月
UNU-IASは、国際大学協会(IAU)の協力のもと、本報告書において COVID-19パンデミックに対する教育部門の対応に関する研究結果を発表しました。本研究にあたり、UNU-IASはアジア太平洋環境大学院ネットワーク (ProSPER.Net)の加盟大学と連携し、アジア・太平洋地域を対象にした調査を実施しました。
『バイオハザード(生物学的危害)およびパンデミックに対するレジリエンスの構築:新コロナウィルスおよびその仙台防災枠組みとの関連(英題:Building Resilience against Biological Hazards and Pandemics: COVID-19 and its Implications for the Sendai Framework)』
学術誌 『Progress in Disaster Science』 第6巻、2020年4月ー オープンアクセス
本論文は、世界・地域・国ごとのレベルでのCOVID-19への対策を精査し、既存の防災レジリエンス(回復)戦略を応用することを提言するものです。 また、仙台防災枠組み2015−2030(SFDRR)に示される現在の防災の仕組みと対策が、COVID-19などに類する感染症の世界的流行の際、その対応の強化に役立つと論じています。
持続可能な開発のためのガバナンス
UNU-IASでは、持続可能な開発目標(SDGs)や、脱炭素化、デジタルトランスフォーメーションなどの関連アジェンダの達成に向けた取り組みに対するCOVID-19の影響を調査しています。我々は、国・地方レベルでの分析を通じ、グローバルな目標がいかにCOVID-19からの回復戦略の形成と実施に資するかについて知見を進展させるとともに、得られた知見を政策策定に向けて提供しています。
生物多様性と社会
COVID-19パンデミックは、人間、動物、環境衛生間の相互関連性、および人が自然との調和の中で生きるという未来に向かって前進することの必要性を強調しました。UNU-IASは、SATOYAMAイニシアティブを通じて、人と自然の持続可能な相互作用を確実にするような取り組みを推進し、ポスト2020生物多様性枠組を導入するためのエビデンスに基づいた知見を提供しています。我々は、公衆衛生に関する成果の達成に向けて統合的なアプローチを推進するために、ワン-ヘルスなど生物多様性と公衆衛生のアジェンダをつなげるための研究を進展させています。
水と資源管理
UNU-IASの研究は、特に都市部の感染症対策における、排水モニタリングの有用性を調査しています。また、水に関するデータを統合的に扱うことによって、公衆衛生だけでなく、持続可能な都市開発やレジリエンス(災害などからの回復)といった、より広範な目的に貢献しています。
イノベーションと教育
UNU-IASは、教育業界におけるCOVID-19への対応策の探究にあたり、持続可能な開発のための教育(ESD)に関するネットワークを活用しています研究には、持続可能な開発のための教育に関する地域の拠点(RCEs)のネットワークを通じた国際的な調査や、アジア太平洋地域を対象に、アジア太平洋環境大学院ネットワーク(ProSPER.Net)の参加大学の協力のもとで実施された調査が含まれています。
2022•04•14
COVID-19が高等教育に与える影響を探究したIAUのグローバル調査報告書に貢献
2022•03•26
世界水の日2022ウェビナー:COVID-19とSDGsとの関連性について議論
2021•09•14
UNUの専門家がCOVID-19後の社会のレジリエンスについて協議
2021•07•14
HLPF サイドイベントにて、グリーン/ブルーリカバリーにおけるSATOYAMAイニシアティブの役割を議論
2021•07•08
HLPF サイドイベントにて、2050カーボンニュートラルの達成に向けた公正で包摂的な社会変革について議論
2021•02•24
2020•10•21
コロナ禍およびポストコロナにおける高等教育の可能性について、ProSPER.Net ウェビナー開催
2020•08•17
SDGsを基本理念に据える新型コロナウイルス感染症対策を日本政府に提言
UNU-IASは、COVID-19パンデミックへの対応として、職員と学生、そして地域コミュニティの皆様の健康と安全を守ることを最優先に、様々な対策を講じながらその任務を最大限果たすための活動を継続しています。詳細