国連大学ライブラリーでは、2014年春から、国際社会の関心事項を取り上げた書籍を選定して、その編著者をお招きし、出版を通じて何を伝えたいかを語っていただくトーク・イベントを開催しています。
2015年4月24日(金)に開催される今回は、2014年末に出版された儲かる農業をやりなさい!: 世界が注目するSATOYAMA(マネジメント社発行)共著者で、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)職員、SATOYAMAイニシアティブを担当する鈴木渉氏が、世界の生物多様性の状況、そして日本の農と食の現状と可能性などを、著書の内容に基づいて考察します。また、コメンテーターとして、UNU-IASで持続可能な農業や世界農業遺産を担当する永田明氏が参加いたします。
本書は、序章に続き、7章の本文から構成されています。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などの日本の農業をめぐる国内外の動きを俯瞰しながら、持続可能な生産ランドスケープ・シースケープ(SATOYAMA)の視点から、日本の農業の可能性を探る内容となっています。世界の生物多様性は世界規模で失われつつあります。その影響は、静かに、しかし確実に私たちの食卓にも及んでいます。TPPなどの貿易の自由化は、より安い海外の食材を食卓にもたらしてくれる期待があります。しかしながら、そうした海外の農林水産物が、将来にわたって供給される保証はありません。その一方で、持続可能で豊かな農業文化を有する日本の里山地域は過疎・高齢化に悩まされ、コミュニティーそのものが消失する危機にひんしています。このような時代にあって、日本の農業にはどのような可能性があるのでしょうか?TPPは日本の農業にとってピンチですが、それをチャンスに変えることはできないのでしょうか?持続可能な農林水産業やランドスケープ管理に取り組む専門家が、このような課題についてトークを展開します。
プレゼンテーションとコメンテーター発表後、質疑応答もお楽しみいただけます。
今回のイベントは、日本語で開催されます。
鈴木 渉
国連大学サステイナビリティ高等研究所 国際SATOYAMAイニシアティブ プロジェクト シニア・コーディネーター
環境省において生物多様性にかかわる業務を担当。現在は、2010年に愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約 国会議会議で採択されたSATOYAMAイニシアティブにかかわる業務を担当。SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップの事務局次長を務める。
永田 明
国連大学サステイナビリティ高等研究所シニア・プログラム・コーディネーター
農林水産省において、長年、農政にかかわる業務を担当。世界農業遺産 (GIAHS)に関する研究をはじめ、開発途上国の若手農業研究者の研修事業、東南アジアの海岸林保全研究、持続的森林再生保全研究などのコーディネー ターを務める。
ライブラリー・トークは一般公開イベントです。参加ご希望の方は、2015年4月23日(木)までに下記のEメール宛にお申込みください。日本の農と食、世界の生物多様性などに関心のある皆様のご参加を歓迎いたします。
参加申込先: library@unu.edu
国連大学ライブラリー リファレンス・カウンター受付
E-mail: library@unu.edu
TEL: 03-5467-1359
FAX: 03-5467-1360
〒150-8925
東京都渋谷区神宮前5-53-70
国連大学本部ビル2階レセプション・ホール
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