国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、里海の回復と再生に向けた地域コミュニティによる取り組みとガバナンスをテーマにした里海再生国際シンポジウムのシリーズ第2回を共催します。この一連のシンポジウムは、UNU-IASが協力機関となっている「国連生態系回復の10年」の一環として沿岸生態系に焦点を当て、里海の回復と再生のためのステークホルダーのネットワーク構築を目指しています。また、政策提言をまとめるための、優良事例や課題、再生プロジェクトで見落とされがちなポイントの特定といった情報共有を行います。
2021年から2030年までの10年間は「国連生態系回復の10年」と位置付けられ、地球上の様々な生態系を積極的に回復・再生していくことが求められています。特に沿岸生態系は豊かな生物多様性を育み人々の暮らしを支えている一方で脆弱性が高いなど、回復・再生の努力がとりわけ求められます。また、日本の沿岸地域のコミュニティの暮らしと生態系が密接に関わっていることも認識される必要があります。さらに、この10年は「国連海洋科学の10年」でもあり、SDG14(海の豊かさを守ろう)をはじめとする海洋に関係する諸課題の解決に向け、海洋の生態系再生に関して国際的な海洋科学的アプローチ、およびその実践を進めることが重要です。
第1回シンポジウムでは、里海の再生に重要な総合的沿岸管理のためのステイクホルダーのエンゲージメントに関する国内外の事例が報告され、マングローブ、海藻、塩性湿地などのブルーカーボン生態系の可能性が示されました。また、沿岸域は気候変動に対して脆弱、かつ予想以上に影響を被っており、科学的なモニタリングの重要性に加えて、子どもを含む地域コミュニティの参画がとりわけ重要であることが指摘されました。
第2回目となる本オンラインシンポジウムでは、気候変動緩和策として重要かつ多面的な機能を有するブルーカーボン生態系の回復・再生を促進するための仕組みづくりと、里海の再生・回復における市民科学(シチズンサイエンス)の役割について、国内外の実践例を通して学ぶとともに、市民がいかにブルーカーボン生態系の回復・再生の活動に関わりその効果を高めることができるのか議論します。
本イベントは、笹川平和財団海洋政策研究所(OPRI)、日本国環境省(MOEJ)、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)との連携のもと共催されます。
本イベントは、日本語と英語の両言語にて、同時通訳付きで開催されます。
オンラインでのご参加をご希望の方は、こちらから事前登録ください。
国連大学(UNU)主催イベントへの参加者は、イベント関連の写真や、スクリーンキャプチャ、動画、音声に登場する可能性があります。 更なる詳細は、こちらのイベント情報ページをご参照ください。
総合司会:柳谷牧子(UNU-IASプログラムコーディネーター)
13:00 開会挨拶およびオープニングセッション
第1回シンポジウムの振り返りと趣旨説明
「里海における気候変動の影響と生物多様性保全」
13:30 第1部:シチズンサイエンスによる沿岸生態系の保全・回復
「沿岸性生態系の保全とシチズンサイエンス―知床・インドネシアの事例」
「アメリカチェサピーク湾のCoast Cardの取組」
「東京湾における市民による生態系再生」
質疑応答、討論
14:25 第2部:ブルーカーボン生態系の再生
「インターナショナルブルーカーボンイニシアティブの国際的取組について」
「横浜からのブルーカーボンの萌芽と地域での取り組み、そしてJBEについて」
「日生におけるアマモ場の再生と里海活動」
質疑応答、討論
15:25 第3部:パネル・ディスカッション
基調講演・司会: 原田尚美(東京大学大気海洋研究所 国際・地域連携研究センター教授、総合海洋政策本部参与)
パネリスト:
16:25 閉会挨拶