竹本和彦UNU-IAS所長の退官記念シンポジウムを開催

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  • 2019年11月8日     東京

    国連大学は11月1日(金曜日)、東京に本部を置く国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)で2014年1月から所長を務めてきた竹本和彦博士の退官記念シンポジウムを開催しました。

    本シンポジウムは、国連大学学長を務めるデイビッド・マローン国連事務次長や、11月1日付で竹本氏の後任として就任した山口しのぶ新所長の出席のもと開催されました。持続可能な開発目標(SDGs)研究の第一人者が、SDGsを達成するための政策志向型研究の役割について話し合い、政策決定者とともに研究をデザインすることの重要性について議論しました。

    UNU-IASは、世界12カ国の14カ所に設置されている国連大学研究所の1つとして、サステイナビリティとその社会的、経済的、環境的側面に重点を置く政策志向型の研究と能力開発を行っています。竹本氏の6年にわたる任期中、UNU-IASはSDGsのガバナンスに関する研究や、生物多様性と生態系の持続可能な利用を進めてきました。教育を提供し知見を創造する研究機関として、国、地域、そして地方レベルで政策提言を行なっています。

    今後竹本氏は、東京大学の未来ビジョン研究センターの特任教授に就任するとともに、引き続き海外環境協力センターの理事長を務めます。

    デイビッド・マローン国連大学学長は次のように述べています。「持続可能な開発、生物多様性および気候変動に関するUNU-IASの研究は、よりいっそう重要になっています。竹本氏は、サステイナビリティに関する研究を主導し、東京大学と上智大学との協定で大学院教育課程を開設するにあたり重要な役割を果たし、国連大学にとって大きな影響をもたらしました」

    2014年に新しく設立されたUNU-IASの所長に任命されるまで、竹本氏は2010年よりUNU-IASの前身である国連大学高等研究所でシニア・フェローおよびプログラム・ディレクターとして、持続可能な開発のための教育(ESD)、国際SATOYAMAイニシアティブ、またいしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(OUIK)の責任者を務めました。

    国連大学に着任する以前、竹本氏は日本政府でさまざまな環境関連の要職を歴任したほか、地球環境問題に関する国際交渉官を務めた経験もあります。環境省では、廃棄物対策課長(2002~2003年)、地球環境担当審議官(2003~2005年)、環境管理局長(2005~2008年)、地球環境審議官(2008~2010年)などを務めました。

    また、環境省の前身である環境庁のほか、国際応用システム分析研究所(オーストリア)、世界銀行、静岡県庁においてもさまざまな役職を歴任しました。