2017年11月6日 東京
「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の実質的な推進に向け、第2期目となる「地球規模課題解決に資する国際協力プログラム」(GGS)では「持続可能な開発」に関する分野から、「包摂的開発の実現に向けた教育とガバナンス」(テーマ1)、「地球システムが直面する課題解決」(テーマ2)、「都市と居住が直面する課題解決」(テーマ3)の3つのテーマを掲げ、本年4月にプロジェクトの公募を行いました。その結果、全国から28件の応募が寄せられ、厳正なる書類審査(第一次審査)と面接審査(第二次審査)を経て、本年7月に最終的に以下の3件の国際協力プロジェクトが採択されました。3事業は、本年8月から最長で2020年3月まで国連大学サステイナビリティ高等研究所と連携して実施されます。
名古屋大学
『ディーセント・ワークにつながる知識と技能:開発途上国における職業教育課程(TVET)修了労働者の技能測定モジュールの開発とカリキュラム評価』
本プロジェクトは、アフリカ諸国における産業人材育成の適切性の向上を図るため、事例国であるエチオピア、南アフリカ、ガーナにおいて、職業能力評価基準に関わる政策・カリキュラムの分析や調査等を行い、それに基づいた技能評価モジュールを試作し、実践及び信頼性検定を重ね、他国でも導入可能な精度の高い技能評価モジュールを開発します。
京都大学大学院 農学研究科
『生物多様性保護と持続的森林利用の調和的達成に向けた、生態系サービス森林認証への生物多様性可視化技術の導入』
本プロジェクトは、熱帯林の保全及びその持続的管理のため、マレーシア・サバ州とインドネシア・東カリマンタン州において、森林管理協議会(FSC)が提案する新制度「生態系サービス森林認証」に導入するための生物多様性可視化技術の技術的検討及び改良を行います。また、「生態系サービス森林認証」実施に伴う便益及び効果を多面的に検証します。
茨城大学
『環礁都市における国土維持力の保全・再生による海面上昇適応戦略』
本プロジェクトは、中部太平洋地域の環礁国が海面上昇に適応するため、マーシャル諸島マジュロ環礁において、排水対策に必要な環境機能を検討し、環礁州島が本来有する砂生産者(有孔虫)の汚染耐力を調査します。さらに、国土維持力の保護区域の設定、環礁都市-地下水-海岸を統合した物質流動モデルを開発し、海面上昇に適応した環礁都市のあり方を検討するための手法を開発します。