国連大学SDG大学連携プラットフォーム(SDG–UP)第14回ワークショップ開催

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  • 2022年4月4日     オンライン

    2022年1月21日、SDG大学連携プラットフォーム(SDG–UP)の第14回ワークショップがオンラインで開催されました。今回は、オークランド大学(ニュージーランド)の戦略計画課長、ジンウェン・ムー氏をお招きしてご講演いただきました。オークランド大学は、THEインパクトランキングで、2019年、2020年と2年続けて世界第一位、2021年も上位にランクインしています。ムー課長はオークランド大学の多岐にわたるサステイナビリティへの取り組みについて次のように話しました。

    オークランド大学は、国連アカデミック・インパクト・イニシアチブから、SDGs4「質の高い教育をみんなに」分野における教育拠点(ハブ)に任命されており、革新的で公平な教育実践に取り組んでいます。また、1890年代より女性の社会進出を後押ししてきた歴史的な背景を持ち、SDG5「ジェンダー平等を実現しよう」に貢献しているほか、その他のSDGsに対しても達成を目指して積極的な取り組みを行っています。

    オークランド大学のサステイナビリティへのアプローチは、3つの層から構成されています。
    一番基本となる層としては、大学の戦略的コミットメントが位置づけられています。大学の戦略として「ビジョン2030および戦略計画2025」が策定され、この文書はマオリ語で「タウマタ・テイテイ(Taumata Teitei、高尚な山頂)」と名付けられており、現代社会が直面している不確実性を乗り越え、卓越性を追求する大学の願いが込められています。2番目の層として「タウマタ・テイテイ」における目的と戦略に沿った運営計画の策定、3番目の層では成功の尺度(Measures of Success:KPIs)の整備が謳われており、上記の3つの層によってサステイナビリティに関する目標の達成を目指しています。

    大学として行う主要な活動すべてにSDGsの考え方を組み込んでおり、「オークランド・アプローチ」と名付けた方法を用いて、SDGsマッピングを開発しました。これは、ニュージーランドという地域の文脈を重視して、SDGsマッピングをローカライズ(地域化)するアプローチであり、オークランド大学、ニュージーランド、さらには太平洋地域特有のSDGsに関わる活動を理解することができます。また、SDGsマッピングの結果を可視化し発信するためにビジネス・インテリジェンス・ダッシュボードを開発しました。2021年からは、研究で使ったSDGsマッピングを教育活動の把握に応用する試みを開始し、SDGsに関連するコースを特定するのに役立てています。SDGsの重要な取り組みや活動、プロジェクトを記録した「SDGsレポート」も発行しており、研究・教育活動の報告を行っています。

    ムー課長は、これからも、サステイナビリティへのコミットメントと、地域社会との絆と世界共通の利益を追求する上で大学が果たすべき役割についての強い認識を持ち、より多くの取り組みを推進していきたいと述べ、講演を終えました。

    その後、質疑応答とグループ討論を経て、村田俊一関西学院大学総合政策部教授(SDG-UPアドバイザー)による総括が行われました。村田教授は、ニュージーランドは、ジェンダー平等にも配慮が行き届き、多様性に根差したマネージメント文化のもとで国家戦略が運営されていることを指摘しました。また、オークランド大学のシンクタンクとしての影響力が大きく、職員に大きな権限が与えられ、いろいろな分野でイニシアチブを推進しているということを強調しました。そして、日本の大学教員は、どういう学生たちを社会に送り出したいのかという、大きな責任について考えると共に、アカデミアとして、シンクタンクとして、いかにして政策立案者に影響力のある共同体を作っていくか、明確な答えを求めて行きたいと述べ、ワークショップを締めくくりました。

    このワークショップの詳細なレポートは、こちらをご覧ください。

    参加大学

    千葉商科大学、愛媛大学、広島大学、北海道大学、国際基督教大学、金沢大学、国際大学、慶應義塾大学、関西学院大学、九州大学、九州産業大学、奈良教育大学、ノートルダム清心女子大学、お茶の水女子大学、沖縄科学技術大学院大学、大阪医科薬科大学、大阪公立大学、
    大阪大学、龍谷大学、上智大学、創価大学、東海大学、東京都市大学、東京外国語大学、
    東京工業大学、東洋大学、東京大学、筑波大学

    参加大学 28校(アルファベット順)