国連大学SDG大学連携プラットフォーム(SDG–UP)第16回ワークショップ開催

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ニュース
  • 2022年7月12日     オンライン

    2022年5月12日、SDG大学連携プラットフォーム(SDG–UP)の第16回ワークショップがオンラインで開催され、参加大学29校から70名が出席しました。今回は、2020年と2021年の過去2回のワークショップで講演していただいたTimes Higher Education(THE)チーフ・データ・オフィサーであるダンカン・ロス氏をお招きしました。

    冒頭の開会挨拶で、SDG大学連携プラットフォームのチェアである国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)の山口しのぶ所長が、ロス氏の紹介を行うとともに、4月にTHE主催のグローバルサミットに参加したことを報告しました。

    続いてロス氏が、「Deepening university impact with the SDGs」と題した講演を行い、近年の高等教育の動向を考察しつつ、大学がSDGs達成を目指す上でどのようにインパクトを深めていけるのかについて講演しました。ロス氏は、世界には25,000校の大学があり地域のコミュニティと密接な関係を有し、その経済活動は世界総生産の1.7パーセントを占めていると指摘し、地域社会で大きな影響力を持つ大学が果たせる重要な役割とは何なのか、よく考える必要があると述べました。また、インパクトランキングでは、大学のSDGsに対する貢献度を理論的に分析し、理解するため、「変化の理論」をもとに、研究、スチュワードシップ(物理的、人的な資源管理)、アウトリーチ、教育の4つの側面から、包括的でバランスの取れた判断に基づく比較を目指していることを強調しました。そして、サステイナビリティのインパクトを深めるために、大学が注力すべきことについて、1)パートナーシップ、2)公開性、3)研究、4)教育(Teaching)、5)コミュニティ、6)スチュワードシップ、7)フォーカスの7つの点から解説しました。ロス氏は、世界中の、そして、さらに多くの日本の大学に、ぜひ次回のランキングに参加して欲しいと期待を寄せました。また、大学がSDGsの達成を目指し、社会に貢献していく過程で、インパクトランキングがどのように効果的に関わっていけるのかを考えていきたいと強調し講演を終えました。その後、山口所長をモデレーターとして、ロス氏への質疑応答が行われました。

    ワークショップ後半では、参加者が7つのグループに分かれ、インパクトランキングの2022の感想やTHEへの要望、および外部評価の活用方法、という2つのテーマで活発なディスカッションが行われました。

    総括として、SDG-UPアドバイザーである村田俊一関西学院大学総合政策部教授は、ランキングは、参加し競うことが最終目標ではなく、それを戦略的に利用し、大学の改革を効率的に進める事に意義があると指摘しました。またSDGs目標16「平和と公正をすべての人に」について、ウクライナの問題が浮上して以来、欧米では目標16についての理解が進み、大学の中でも取り組みが強化されつつあると指摘し、日本でも、ガバナンスの一環として目標16についての教育の見直しを行うべきではないか、と述べました。そして、今回のワークショップが、SDGs目標1から16までをさらに包括的に再考する良い機会になったこと強調しました。

    このワークショップの詳細なレポートは、こちらをご覧ください。

    参加大学

    千葉商科大学、愛媛大学、広島大学、北海道大学、国際基督教大学、国際大学、金沢大学、慶應義塾大学、関西学院大学、九州産業大学、ノートルダム清心女子大学、奈良教育大学、お茶の水女子大学、岡山大学、沖縄科学技術大学院大学、大阪大学、大阪医科薬科大学、大阪公立大学、龍谷大学、創価大学、上智大学、北九州市立大学、東京大学、東海大学、東京都市大学、東京工業大学、東京理科大学、東洋大学、筑波大学

    参加大学 29校(アルファベット順)