SDG大学連携プラットフォーム(SDG–UP)第20回ワークショップ開催

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  • 2022年11月1日     オンライン

    2022年10月12日、SDG大学連携プラットフォーム(SDG–UP)の第20回ワークショップがオンラインで開催され、参加大学21校から47名が出席しました。今回は、中国・清華大学SDGs研究所のジェン・イー所長をお招きし「Knowledge and Partnership: Tsinghua’s Action towards the UN SDGs(知識とパートナーシップ:清華大学の国連 SDGsに向けた取り組み)」と題して講演をしていただきました。本講演では、清華大学の多岐にわたるサステイナビリティ活動の4つの重点項目が紹介されました。

    第一の重点項目は、大学の基本的な役割である「人材育成」です。清華大学では人材育成を目的とした数多くのSDGs関連コースが開講されており、その一例として2017年から始まったジュネーブ大学との連携による特別コース「Dual Master Program of Public Policy for SDGs(デュアル・マスタープログラム:SDGsのための公共政策)(MPP-SDG)」について説明がありました。

    第二の重点項目は、生涯学習プログラムを通じた「社会貢献」です。社会全体に質の高い教育を施すため、400以上のSDGs研修コースを含むさまざまなプログラムがオンラインで一般向けに広く提供されています。

    第三の重要項目は「大学運営」です。清華大学は「全学SDGs達成に貢献すべく取り組み、大学の活動全てにわたって、効率的な運営を実現することが重要である」という認識を共有しています。1998年からはグリーンな大学を提唱し、エネルギー管理のためのプラットフォームを作りネットゼロ・キャンパスを目指しています。

    最後の重要項目は「研究活動」です。科学研究を重視する清華大学は、知識の生成、普及、応用において、SDGsを実施・主流化を目指しています。学際的な研究の進展とグローバルなパートナーシップ拡大のため、2017年のMPP-SDG開始に伴い、ジュネーブ大学との共同でSDGsに関する協力を進めるプラットフォーム「清華-ジュネーブSDGsイニシアチブ」を始動させました。清華大学にSDGs研究所を、ジュネーブ側にはSDGsソリューション・スペースを設立し、SDGs達成に向けた課題解決に取り組んでいます。

    イー所長は、「SDGsの実践は、大学の教育・研究に影響を与え、社会貢献を促すだけでなく、大学経営やその他さまざまな活動を変革するきっかけにもなる」と指摘しました。また、 「SDGsの多様な分野にまたがる諸問題の解決には、良好なパートナーシップの構築が不可欠である」と述べ、今後もSDGs達成に向けて大学が果たすべき役割を重視してさまざまな取り組みを推進していくことを強調して講演を締めくくりました。

    その後、質疑応答を経て参加大学によるグループ討論が行われ、「日本の大学のSDGsに関する取り組みが2021年以降に活発になった背景や要因」、「SDGs教育促進のためのメカニズムや事例」という2つのテーマで議論が交わされました。前半のテーマでは、大学によるSDGsへの取り組みを評価するTimes Higher Education(THE)インパクトランキングが考慮されるようになったことや、持続可能性・多様性などのコンセプトが浸透してきたことなど、外部要因による刺激が変化をもたらしているとの意見が寄せられました。後半のテーマでは、学生をSDGsに関する報告書を執筆する嘱託職員に任命する、SDGs事業への継続的関わりを行う大学職員のイニシアチブを重視する、といった取り組みの事例が挙げられました。

    本ワークショップの詳細なレポートは、こちらをご覧ください。

    参加大学

    愛媛大学、広島大学、北海道大学、国際基督教大学、神奈川大学、金沢大学、国際大学、慶應義塾大学、関西学院大学、ノートルダム清心女子大学、沖縄科学技術大学院大学、大阪医科薬科大学、大阪公立大学、大阪大学、龍谷大学、昭和音楽大学、上智大学、創価大学、東京工業大学、東洋大学、北九州市立大学

    全21校(アルファベット順)