国連大学SDG大学連携プラットフォーム(SDG–UP)第24回ワークショップ開催

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  • 2023年5月30日     オンライン(JST)

    2023年5月24日、SDG大学連携プラットフォーム(SDG–UP)の第24回ワークショップがオンラインで開催され、参加大学21校から約40名が出席しました。今回は、ペンシルベニア大学環境イノベーションイニシアティブ メリッサ・ゴッダールシニアディレクターをお招きし、地球規模の環境問題について解決策を提示するための多様な取り組みを中心に講演していただきました。

    ゴッダールシニアディレクターは、まず知識を創造し広め、教育研究を通して、次世代を担うリーダーを育てるのが高等教育の目的であると説明しました。そして、高等教育の冠である大学は、教育研究に加えて様々な規模の公共部門と連携し、サービスや資源を提供することができると共有しました。

    ペンシルバニア大学は、フィラデルフィアの中心部の広大な都市型キャンパスに12のスクールを持つアメリカで最も古い大学の一つです。大学として奉仕的な役割を果たすことに注力しており、学生、教員および職員が地域社会に貢献し、世界に還元できるような取り組みを行っています。環境イノベーション・イニシアティブ活動の一環である「リサーチコミュニティ」は、専門分野や学科を超えたコラボレーションを促進するプログラムで、自然保護、気候変動対策、社会的レジリエンスといった3つのテーマに沿って、学際的なコミュニティを構成して研究し、対外的な成果をあげることを目指しています。また、同イニシアティブは気候変動対策に関する活動にも力を入れています。

    ゴッダールシニアディレクターは、持続可能な開発目標(SDGs)をどのように大学における活動に組み込むかという点は非常に重要で、ペンシルバニア大学の本イニシアティブはSDGsに特化するということではなく、SDGsを有効に活用して取り組みを行うという意識を明確にしていると話しました。現在ペンシルバニア大学の同イニシアティブでは「SDGsを超えるもの(Beyond SDGs)」を掲げ気候変動などの課題解決に関連する未来に向けた世界的な議論に共通するテーマを考え始めています。ゴッダールシニアディレクターはこれらの取り組みを、これからのグローバル・リーダーシップのために、ぜひ役立てたいと強調しました。

    また、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)山口しのぶ所長をモデレーターとして、ゴッダールシニアディレクターへの質疑応答が行われました。大学のマネジメントとの関係、具体的なプロジェクトにおける課題および今後の目標などの質問が寄せられ、活発なセッションとなりました。後半は「サステナブルキャンパスに向けた取組みと課題」というテーマで4グループに分かれ討議が行われ、様々な意見が交わされました。
    総括として、村田俊一関西学院大学教授(SDG-UPアドバイザー)は、志の高い学生が増えしボトムアップで良いアイデアを出していることや、学部横断的なカリキュラムを編成しようとする動きが顕著になっていることを取り上げました。そして、SDGsの達成を目指す上でのガバナンスやリーダーシップ、様々な環境でリーダーとして貢献できるチェンジメーカーとしての人材育成のための教員開発(ファカルティ・ディベロップメント)の重要性やさらなる意識改革が必要となってきている点を強調し、ワークショップを締めくくりました。

    本ワークショップの詳細なレポートは、こちらをご覧ください。