国連大学SDG大学連携プラットフォーム(SDG–UP)第5回ワークショップ開催

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ニュース
  • 2021年2月19日

    2021年2月18日、国連大学SDG大学連携プラットフォーム(SDG–UP)の第5回ワークショップがオンラインで開催され、24大学から49名の代表者および関係者が出席しました。今回、前半はイェール大学サステイナビリティセンター副所長のメリッサ・ゴッダール博士をお招きし、米国で最も古くからサステイナビリティ活動を展開している当センターの取り組みを中心に講演していただきました。

    ゴッダール博士は、高等教育において、何故サステイナビリティの考え方が必要であり、有用であるか、との問いから、大学という場所の機能と特性を通じて、新鮮なアイデアを持つ若い世代が、いずれ自分たちが世界を変える可能性があるのだ、と実感できる機会を与えることの重要だと述べました。

    また、2016年に完成した「イェールサスティナビリティプラン2025」における、1つのVision、9項目のAmbitions(取り組みの方向性)、20の目標、38のゴールについて解説しました。本計画は、イェールコミュニティを形成している様々なグループに統一されたプラットフォームを提供することで、それぞれの専門を活かしたサステイナビリティの取り組みを支援できるようにしたもので、現在、大学の多くの学部や大学院研究科が、それぞれ目標に向かって実際の課題解決に取り組んでいます。同様に「国際研究型大学連合、International Alliance Research University (IARU)」 の協働事業の一環として作成した「大学におけるグリーンガイド」(英語、スペイン語、中国語、日本語)や、44か国の135チームから成る約600人の学生が参加して環境および気候変動の課題と取り組むGlobal University Climate Forumなど、イェール大学のグローバルな取り組みについても紹介し、将来の若いリーダー達が、インスピレーションを与えあいネットワークを広げる活動を通して、高等教育の役割をさらに高めていけるように願っている、と強調しました。

    ワークショップの後半は、グループ討議が行われました。テーマとして、1)横断的な学部を超えたSDGsの教科をどのような形で実施すべきか、2)学生、事務職員、教員が共同して実施するSDGs事業の可能性、3)SDGs実施における特別基金の必要性、4)学内のSDGs実施における評価制度の必要性と課題について、という4つの項目があげられ、様々な意見が交わされました。

    村田俊一関西学院大学総合政策部教授(SDG-UPアドバイザー)は、一朝一夕では実施できないYale Sustainability Planを計画・遂行する中で、特に、イェール大学の「クリティカル・マス」をどのように形成し動かしてきたのか、そのプロセスを知ることが重要であること、また、大学におけるサステイナビリティ促進のための環境をより良く整備するためには、事務職員の下支えが必要不可欠であり、大学のリーダーが事務職員を巻き込んで企画の段階から力を発揮してもらうことが大変重要であることを強調しました。さらに、現代社会は問題が多様化し複雑多岐にわたっているため、その問題解決のアプローチとして、SDGsの基本となる4つのコンセプト「社会、経済、環境、ガバナンス」をカリキュラムに効果的に組み込むことが必要であり、その上で、現実の問題に対応するために、専門性と学際性を統合し、社会のニーズに対応した大学教育を考えなければならないと述べました。最後に、教職員である我々が、次世代の人材育成に携わる中で、どの様にSDGsを活かして行くのかを議論し、教職員とリーダーシップが共に改革をすすめていかなければならない、との述べて、今回のワークショップを締めくくりました。

    このワークショップの詳細なレポートは、こちら

    参加大学

    愛媛大学、広島大学、北海道大学、国際基督教大学、国際大学、慶應義塾大学、関西学院大学、北九州市立大学、九州大学、九州産業大学、ノートルダム清心女子大学、奈良教育大学、大阪大学、大阪医科薬科大学、龍谷大学、創価大学、上智大学、東海大学、東京都市大学、東京工業大学、東京理科大学、東洋大学、筑波大学、東京大学 全24校(アルファベット順)