BIG IDEASイベントでUNU-IAS所長が持続可能性のためのシナジーについて対談

,

ニュース
  • 2023年2月9日     オンライン

    2023年2月7日、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)の山口しのぶ所長が国連大学(UNU)のイベント「BIG IDEAS:SDGsに関する対話シリーズ」に登壇し、「持続可能な未来を実現するシナジーの重要性」と題して、UNUの白波瀬佐和子上級副学長とオンラインで対談を行いました。本イベントには86名が参加しました。

    まず山口所長は、人類と地球の持続可能な未来を実現するというUNU-IASの使命について’紹介しました。UNU-IASは、エビデンスに基づく政策立案への情報提供を目的として「持続可能な開発のためのガバナンス」、「生物多様性と社会」、「水と資源管理」、「イノベーションと教育」という4つのテーマ領域で研究活動を行なっています。また、石川県金沢市に「いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(OUIK)」を置き、SDGsを地域で実装していく(ローカライズ)ためのモデルを開発すると共に、大学院学位プログラムにてサステイナビリティ学の修士・博士課程および多様な短期コースを提供しています。

    続いて、国連持続可能な開発目標に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)、教育の変革サミット(TES)、第3回パリ協定とSDGsのシナジー強化に関する国際会議、エジプトのシャルム・エル・シェイクで開催された第27回気候変動枠組条約締約国会議(COP27)、などでのUNU-IASの国際政策会議での活動について触れ、本研究所がいかにSDGsと気候変動や教育など複数の分野間での学際的なアプローチの推進を通じてシナジー(相乗効果)を生み出すことに貢献してきたか述べました。同時に、持続可能な未来の実現を目指すにあたって世界的にユース参画の重要性がますます高まっていることを強調し、改めて積極的にユースへの機会提供および人材育成を行っていくとの決意を語りました。

    そのための実践的な試みとして、大学院学位プログラムにおいて2023年秋に開講される気候変動に関するパリ協定専攻の新設、およびUNU-IASが事務局を務める4つのネットワークについて紹介しました。中でも、「SDGs推進大学連携プラットフォーム(SDG-UP)」について取り上げ、国内32大学のSDGsに関する連携と取り組みの強化が進んでいることを共有しました。

    その後の質疑応答では、参加した学生らから多くの質問が寄せられました。日本のシナジー研究の進展が遅いことに関する質問に対し、山口所長は、確固たる専門性を持つこと、および総合的な視野を持って横断的・融合的に他分野と連携・協力すること、という双方向性を持った学びが重要であると語り、企業をはじめさまざまなステークホルダーに協働を呼びかけました。

    最後に、「What is your BIG IDEA?(あなたの大志は何ですか?)」という質問に対して、「25年以上におよぶ海外経験を含め、自身が人生を通じて出会い、身につけてきたこと全てを、日本の、そして世界の若い世代に役立てるとともに、彼らと共に社会に貢献していきたい。」と述べてセッションを締めくくりました。

    本イベントの録画ビデオは、UNUのYouTubeチャンネルよりご視聴いただけます。