国立公園の魅力引き出す「インタープリテーション」

, ,

ニュース
  • 2017年5月22日     東京

    基調講演する、米国立公園局のパークレンジャー、トッド・ヒサイチ氏 Photo: MOEJ

    基調講演する、米国立公園局のパークレンジャー、トッド・ヒサイチ氏 Photo: MOEJ

    UNU-IASは5月13日、環境省、日本インタープリテーション協会、地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)とともに「国際生物多様性の日 生物多様性と持続可能な観光シンポジウム~国立公園のインタープリテーションを考える~」を開催しました。国連大学では毎年、国際生物多様性の日を記念したイベントを開催しています。本年のテーマが「生物多様性と持続可能な観光」であることから、自然公園などで体験や地域性を重視した、楽しく意義のある教育的なコミュニケーションを通じて地域の自然や文化について理解を深める「インタープリテーション」に重点を置き、日本とアメリカの事例を基に、国立公園のよりよい利用のあり方について議論を行いました。

    渡辺綱男シニアプログアムコーディネーターによる開会、比嘉奈津美環境大臣政務官からのあいさつに続き、アメリカ国立公園局パークレンジャーのトッド・ヒサイチ氏、吉田正人筑波大学大学院教授による基調講演が行われました。ヒサイチ氏は、日米間における国立公園の違いや共通点、アメリカにおけるインタープリターの特徴や考え方について述べ、インタープリテーションを通じて人々と公園との距離が近づいた体験や、公園に訪問できない人にも楽しんでもらえるようにと始めた「公園を持っていく」活動についても紹介しました。吉田教授は、日本の国立公園やインタープリテーションの歴史・特徴について説明しました。加えて、日本のインタープリターが、人と自然のつながりを伝え、生物文化多様性の保全・活用に貢献する重要性を強調しました。

    パネルディスカッションでは、国立公園の魅力を引き出すインタープリテーションについて考えました。インタープリテーションを通じて得られる自然の価値の再発見、将来に向けた人材育成のための課題、訪日外国人の誘致先としての国立公園およびインタープリターの重要性、パークレンジャーやインタープリター間の国際的な交流の必要性等について、参加者も交え、活発に議論しました。