【新刊発行】持続可能な都市自然のモデルを金沢の日本庭園から発信

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  • 2019年9月30日     石川県金沢市

    2019年7月UNU-IAS OUIKは生物文化多様性シリーズの第5弾「金沢の庭園がつなぐ人と自然-持続可能なコモンズへの挑戦-」を出版しました。
    この本は21世紀の社会における都市の自然環境の持続可能な在り方を示すことを目的としており、40人以上の共著者と共に人間社会に関連した金沢市の日本庭園のユニークな役割と教えを提示しています。また都市の自然を保護するために関係者によって策定された共同計画の必要性についても説いています。

    最初の章である「都市自然の持続可能な保全のための施策」では、金沢の日本庭園と都市生態系サービスを保護するための公共政策としての管理体制や戦略を紹介しています。 2章目「庭園にまつわる人々の物語」では、庭の所有者や管理する側にフォーカスしています。生物文化的多様性の維持に日々、専念する人々の生の声から構成されており、自分たちの庭を次世代に確実に伝えるための苦労、希望、課題についても触れています。第3章、「日本庭園の多様な教え」では、社会経済、デザイン、環境の3つの分野にわかれ、それぞれの分野の専門家が都市の自然を活用しながら庭園や都市が抱える環境問題に取り組む方法について述べています。「自然と関わる新しい方法」を共創する第4章では、ボランティアによる庭園清掃やエコツーリズムを利用した共同管理など、金沢だけでなく海外でも行われているさまざまな活動を紹介しています。

    「私たちが暮らす町の庭師になりましょう」という言葉をモット―にこの本の責任編著者ファンパストール・イヴァールス(UNU-IAS OUIK リサーチアソシエイト)は人間と自然の関係修復に向け日々活動しています。