水管理におけるレジリエンス構築とマルチステークホルダーとの連携 

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ニュース
  • 2021年9月8日

    2021年8月23日、スウェーデン国際水研究所(SIWI)の年次会議「世界水週間」において、UNU-IASは「Building Resilience in Water Management with Multi-stakeholder Engagement(水管理におけるレジリエンス構築と多様なステークホルダー・エンゲージメント)」と題する協議セッションを主催しました。本セッションは、「UNU水ネットワーク」に参加する4つの国連大学研究所(UNU-FLORES・UNU-INRA・UNU-EHS ・UNU-IAS)がイタリア・ボルツァーノ市のEURAC研究所と共催したもので、UNUの水への取り組みを紹介し、水管理におけるレジリエンス構築達成に向けた多様なアプローチを学ぶ機会を提供することを目的としています。会には世界各国から60名以上が参加し、水とレジリエンスについての知見や経験を共有しました。

    開会の辞において、山口しのぶUNU-IAS所長は、今日人類が直面する最も深刻な課題として「気候変動」と「新型コロナウイルス感染症」を挙げ、これらに対応するための社会の能力構築に、国連持続可能な開発目標6「すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」が果たす役割をを組み込むことの重要性を強調しました。また、福士謙介UNU-IASアカデミック・プログラム・オフィサーはレジリエンスとサステイナビリティの概念を提示すると共に、水関連の課題に対する社会のレジリエンス構築のアプローチとして、科学的データの収集やモデルの構築、将来予測ツールの開発、ステークホルダーの関与などに言及しました。

    本セッションのハイライトであるグループごとに分かれてのディスカッションでは、国連大学研究者が紹介するレジリエンス構築に向けた4つのアプローチ:「高地と低地との間の対話が国境地域の水管理とレジリエンス構築に及ぼす影響」、「水の再利用の促進とレジリエンス構築に向けた課題」、「多様な水利用者による水管理の改善と社会の経済・環境レジリエンス強化」、「都市部および都市周辺部の水管理における技術開発促進のための青年の参加と起業」、について参加者との意見交換が行われました。それぞれのテーマで活発な議論が行われ、多様なステークホルダーの連携、意識の向上と能力開発、研究・政策・資金の間の連携強化、若者による起業促進等の重要性が改めて確認されました。セッションは、ジータ・セベスバリUNU-EHS副所長による参加者への謝辞で締めくくられました。

    本セッションの録画は世界水週間のYoutubeサイトでご覧いただけます。

    UNU Water Networkの活動についてはUNUウェブサイトをご確認ください。