COP15:サイドイベントでマングローブの再生と保全を推進

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  • 2023年1月4日     モントリオール


    2022年12月14日、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、カナダのモントリオールで開催された国連生物多様性条約第15回締約国会議(CBD COP15)にて、気候変動に対する自然を基盤とした解決策としてのマングローブの保全と再生に向けた課題と機会をテーマとするサイドイベントを共催しました。本イベントは、国際協力機構(JICA)、インドネシア環境林業省、日本国環境省、CBD事務局、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)の協力のもと開催されました。

    開会挨拶でJICAの森田隆博 地球環境部長は、過去30年間でマングローブ林の6割が消滅したことを踏まえ、マングローブの再生と保全が急務であると指摘しました。マングローブ林は、気候変動の緩和や沿岸地域の社会的課題の解決に役立ちます。JICAの阪口法明氏は、JICAがブラジル、インドネシア、モーリシャス、メキシコ、ミャンマー、オマーン、パラオ、フィリピン、ベトナムと共に、マングローブの再生と持続的管理のための能力強化とモデル開発に向けた協力プロジェクトを実施したことを紹介しました。

    インドネシア環境林業省のバディア・アハマド氏は、インドネシアのブルーカーボン保護への決意を改めて確認するとともに、マングローブの劣化を防ぐことで、土地利用による排出を30%削減できると述べました。

    UNU-IASの柳谷牧子プログラム・コーディネーターは、2022年にUNU-IASが開催した2つのシンポジウムの成果をもとに、文化的なシースケープを回復するためのステークホルダーの関与について紹介しました。第一回シンポジウムでは、脆弱な海洋生態系を回復するための地域社会ベースの取り組みと優良事例に焦点を当て、第二回シンポジウムでは、ブルーカーボンシステムと市民科学について議論しました。

    パネルディスカッションでは、マングローブの再生と保全を加速させるために、いかに地域の参加者と民間企業とのパートナーシップを構築・強化するかに焦点が当てられました。世界銀行気候変動基金管理局のジュリアン・ゴンザロ・ジメネズ シニア・カーボン・ファイナンス・スペシャリスト、ドイツFfW開発銀行のマーク・プレイン シニア・テクニカルアドバイザー、経団連自然保護協議会の饗場崇夫 企画部会長が登壇しました。

    閉会にあたって、環境省自然環境局の宮澤泰子 課長補佐は、日本とインドネシアが、市民参加による3年間の海洋データ収集プロジェクトやマングローブ保全のための研修など、新たな取り組みを通じて協力を続けていくことを強調しました。また、ポスト2020生物多様性枠組の実践を成功に導くためには、資源の動員を促進し、議論を継続し、優良事例を共有することが重要である、と述べて本イベントを締めくくりました。