2024年11月29日 バクー
2024年11月19日、アゼルバイジャンのバクーで開催された2024年国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(UNFCCC COP29)にて、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)はイベントを開催しました。本イベントでは、気候変動対策におけるユースの意味のある参画を促すための経験や知見を共有しました。また、UNU-IASの若者エンパワーメントイニシアチブに参画している2人の高校生の視点を含む多様なユースの視点も紹介しました。
パリ能力構築委員会(PCCB)ハブの一環として開催されたこのイベントでは、ユースのエンパワーメントをグローバルに支援するための能力構築のニーズと優先事項について議論しました。
ユースの代表者によるディスカッションセッションは、UNU-IAS竹本明生プログラムヘッドが司会を務めました。イベントの冒頭、竹本プログラムヘッドは、気候と生物多様性の喪失という相互に関連する問題に取り組む上でユースが果たす重要な役割を認識していると述べました。また、これには科学に基づく知識とリーダーシップを伝えるための能力開発の拡大が必要であると強調し、国際的な政策プロセスへのユースの参画を支援するUNU-IASの2つの革新的な取り組みを紹介しました。グローバル ユースミドリプラットフォーム(GYM)は、18人の若者にトレーニングを提供し、選抜された2名の大学生の2024年の国連生物多様性会議(CBD COP16)への参加を支援しました。また、次世代リーダー育成プログラムでは、13人の高校生を育成し、そのうち2名のCOP29への参加を支援しました。
気候青年交渉者プログラム/世界青年生物多様性ネットワークアクセル・エリクソン研修マネージャーは、気候と生物多様性の交渉へのユースの参画を阻む障壁を特定し、ユースを受益者ではなく協力者や推進者として捉えるべきだと述べました。アクセルマネージャーは、ユースは気候変動と生物多様性の相互関係を認識していると指摘し、ユースのグループに対し、異なる政策プロセスにわたり共通のメッセージを発信するよう求めました。 フローレ・ゲッティ氏(国連代表、SGI国連事務局SGIプログラムコーディネーター)は、気候と生物多様性に関する政策プロセスの違いが若者の貢献を困難にしていると強調しました。フローレ氏は、これらのプロセスに効果的に影響を与える方法について、ユース同士がピアツーピアで学ぶ必要性もあると述べました。
UNU-IAS次世代リーダー育成プログラムの下で会議へ参加した日本の高校生2名は、自らの活動を共有し、COP29の経験から持ち帰るメッセージについて話しました。石川県立金沢泉丘高等学校梶夏菜子氏は、石川県の耕作放棄地問題の解決に向けた活動を紹介しました。梶氏は、COP29のイベントが気候と生物多様性に関連する多くの問題の相互関連性を浮き彫りにしたと話し、ユースがトレードオフを考慮する責任があると強調しました。金沢大学附属高等学校本多真理氏は、 カーボンニュートラルな港湾と洋上風力発電が日本の地域住民に利益をもたらす可能性について説明しました。また、COP29では、気候変動に対する自然に基づく解決策が貧困や不平等などの分野に相乗効果をもたらす可能性があることを学んだと話しました。 いずれの学生も、気候変動に対する意識を高めるとともに、特にユースの行動を促すために、自らの経験をクラスメートや石川県の地域社会と共有したいと述べました。
このイベントでは、クイズやディスカッションセッションを通じて観客の参加を促し、ユースが先見の明を持ち、交渉で発言するあらゆる機会を活用できるよう設計されました。
本イベントは、国連大学副学長欧州事務所(UNU-ViE)との共催で行われました。