COP28:気候移住、避難を余儀なくされた人々の人権課題を考える

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  • 2023年12月4日     ドバイ

    Photo: UNU-IAS

    2023年12月3日、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)はアラブ首長国連邦、ドバイで開催された国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(UNFCCC COP28)のサイドイベントにて気候変動により移住や避難を余儀なくされた人々の人権を尊重する方法を検討しました。本セッションでは、気候変動の影響により移住を余儀なくされている、移住のリスクにさらされている人々の基本的人権を脅している多様なセクターにわたる共通の課題が取り上げられました。タイ政府、ユネスコおよび国際移住機関(IOM)との共催で行われました。

    本イベントでは、気候変動の影響を受ける個人と教育を受ける権利に関する世界的な研究から得られた主な結果や政策提言が共有されました。本研究の一環としてUNU-IASとユネスコは、バングラデシュ、インド、イ ンドネシア、ツバルおよびベトナムについての調査を行い『アジア太平洋地域統合報告書: 気候変動、移住、教育を受ける権利』を作成しています。

    本イベントにおける議論は、気候変動による人間の移動と移住の複雑な性質を浮き彫りにしました。個人または政府による計画的な移住、急激または突発的な事象に起因する強制的な移住(地滑り、暴風雨および洪水など)、緩慢な変化に起因する季節的、自発的、国境を越えた移住(海面上昇や土地の浸水など)およびその場に留まることを選択し閉じ込められた人々など複数の移住シナリオが検討されました。

    パネリストは教育、医療および住宅などの基本的なサービスへの公平なアクセスを確保することに関する重要な課題や懸念について検討しました。気候変動が進む中で人間の移動パターンを予測し、よりアジャイル(状況の変化に対して素早く対応すること)でレジリエント(回復力のある)な教育、医療および住宅システムを準備するためのツールを政府に提供するためには、データが不可欠です。気候変動の影響により移動する人々の人権を尊重するためには、早急な国際的な協調と合意が必要です。状況に即した解決策を提供するためにはコミュニティに根差した取り組みが重要となります。本セッションでは、今後コミュニティにおける活動の成功事例をさらに拡大していく上での課題についても取り上げました。