生物多様性のための小規模グラントイニシアティブの効果を議論

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  • 2024年3月1日     東京

    Photo: KCNC and UNDP

    2024年2月13日、国連大学サステイナビリティ高等研究所渡辺綱男シニアプログラムコーディネーターが、生物多様性や自然資源の持続可能な利用を少額の補助金で推進するSATOYAMAイニシアティブ推進プログラム (COMDEKS)に関する基調講演を行いました。本講演は、地球環境ファシリティ小規模グラント・プログラム(GEF-SGP)の下で実施された過去と今後のCOMDEKSプロジェクトについて、経団連自然保護協議会(KCNC)のメンバーやドナー企業などが参加して議論するイベントの一環として行われました。本イベントは、KCNC、UNDPおよび環境省が主催しました。

    開会にあたり、西澤敬二氏(KCNC会長)は、NGOや気候変動と生物多様性の損失という相互に関連する危機に直面している地域社会への財政支援を強化する上で、ビジネスセクターが果たす重要な役割を主張しました。環境省松沢裕氏地球環境審議官は、SATOYAMAイニシアティブおよびCOMDEKSを通じた昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)への日本のコミットメントを強調しました。2022年には、COMDEKSフェーズ4の資金として、今後6年間で環境省とKCNCがそれぞれ7億円、3億円を拠出することを表明しました。

    渡辺シニアプログラムコーディネーターは、UNU-IASが事務局を務める自然と調和した社会の実現に取り組むグローバル・パートナーシップである SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI) を紹介しました。COMDEKSは、地域コミュニティの小規模プロジェクトに資金を提供し、利害関係者間の知識共有と能力開発を促進するIPSIの主要プログラムです。本プログラムは開始以来、開発途上国20か国でプロジェクトを支援してきました。

    UNDP山本晃子アジア大洋州局環境・エネルギーチームリーダーは、社会経済発展と環境保護との本質的なつながりを強調し、持続可能な未来を確保するために自然治癒力への投資を提唱しました。山本リーダーは、自然を発展の中心に据え、全人類に世界的なセーフティネットを提供するUNDPネイチャー・プレッジ(自然のための誓約)を紹介しました。

    パネルディスカッションでは、カンボジアとコスタリカのCOMDEKSプロジェクトが紹介され、その効果と教訓が強調されました。顕著な改善としては、コミュニティ全体での利益配分メカニズムの強化や自然保護活動から得られた具体的な利益が挙げられました。議論では、COMDEKSがネットワークや集団行動のための重要なプラットフォームとして機能しながら、関係者間で協力していく重要性が強調されました。

    UNU-IAS山口しのぶ所長は、GBFに示された目標の達成とりわけコミュニティ主導の計画を通じた生物多様性損失の低減(目標1)、地域住民参加による陸・海の保全 (目標3)、農林業における持続可能な慣行の推進(目標10)において、COMDEKSが中心的な役割を果たしたことに言及しました。