原子力産業における「安全文化」の重要性

,

ニュース
  • 2014年6月24日     東京

    2014年6月11日、UNU-IASのFUKUSHIMAグローバル広報事業(FGC)は、国内外の専門家を迎え、一般の人々の原子力に対する認識について議論を行う意見交換会を国連大学本部(東京都渋谷区)にて開催しました。本会合に参加した原子力規制委員会の国際アドバイザーは、原子力産業とそれを規制する側において「安全文化」に重点を置く必要性を強調しました。

    意見交換会に参加した専門家は、原子力産業がより多くのステークホルダーの声に耳を傾け、情報をよりわかりやすく多くの人々に伝える義務があると述べました。原子力産業とそれを規制する側の双方で安全第一の精神と倫理原則の厳守が優先され、懸念がある場合はいかなる立場の者でもそれを指摘できるような「安全文化」を育む重要性が強調されました。

    意見が交わされた議題のうち、東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故後の原子力の安全性について懸念を抱いている国民に対する情報共有と発信は、とくに重視されました。FGCの目的に沿って、本会合で行われた議論は、人間の安全保障の観点に専門家と政策立案者側の意見を取り入れながら行われました。

    本会合には、大島賢三氏(原子力規制委員会委員)、アンドレ・クロード・ラコスト氏(元フランス原子力安全庁長官)、リチャード・メザーブ氏(元米国原子力規制委員会委員長)、マイク・ウェイトマン氏(元英国原子力規制局長官)などが参加し、意見を交わしました。

    開会挨拶は、大島氏と国連大学上級副学長である武内和彦教授が行い、両者とも政治的中立性を保ち、国際的なネットワークの構築を目指すFGCが国内外の専門家間の交流を促進するために重要な役割りを担っていると述べました。議事進行及び議論の司会は、竹本和彦氏(UNU-IAS所長)が務めました。

    意見交換会の動画はこちら(英語のみ)から、サマリーはこちら(英語のみ)からご覧いただけます。

    FGCのイベント、出版物、ビデオを含むプログラムの詳細は、FGCのウェブサイトからご覧いただけます。