「Tea and Garden for Peace〜都市と自然、人と人をつなぐ日本庭園とお茶の可能性〜」を開催

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  • 2018年11月16日     東京

    国連大学と国連大学サステイナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(OUIK)は11月11日(日)、Farmer’s Market @UNUと共に、トークイベント「Tea and Garden for Peace〜都市と自然、人と人をつなぐ日本庭園とお茶の可能性〜」を開催しました。

    1回目の「里山」、2回目の「里海」に続き、今回は「日本庭園とお茶」をテーマに、永井三岐子UNU-IASいしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(OUIK)事務局長がモデレーターを、フアン・パストール・イヴァールス研究員がスピーカーを務めました。

    はじめに、金沢市出身の永井事務局長がOUIKの設立背景や活動について説明しました。石川県には、国内で初めて世界農業遺産に認定された「能登の里山里海」、ユネスコエコパーク、ラムサール条約登録湿地があり、野生絶滅した朱鷺が佐渡から訪れることもあるなど、自然や文化資源が豊富に残っている地元の様子を紹介しました。

    続いてスペイン郊外の自然豊かなデニア市出身のフアン研究員が、金沢の生物文化多様性を保全・継承するために取り組んでいる庭園管理の研究について説明しました。もともと建築を専門としていたフアン研究員は、京都に留学した時に自然との調和を重んじる日本庭園に出会い、ヨーロッパとは異なる景観美や自然美に魅了されて研究を始めました。フアン研究員は、金沢の日本庭園は伝統的な造園技術を使った美しい芸術作品であり、多くの生物の住み家となっていると語りました。

    その一方で、所有者の高齢化などで庭園の維持が難しくなっている現状に触れ、アーバンエコツーリズムや自身が取り組む庭園清掃ワークショップについて説明しました。庭園の所有者や行政と協力して企画・実施しているこのワークショップでは、清掃活動後にお茶会を開催し、参加者同士が交流を深めながら金沢市の生物多様性や庭園保全の意義について学ぶ場を設けています。
    プレゼンテーションの後は、スペイン産ハーブティ(レモンバーベナ)とメンブリージョ(セイヨウカリンのジャムのような餡)が入ったもなかを楽しみながら質疑応答が行われました。

    最後に永井事務局長が、「この研究活動は、観光客が観光地を巡るだけでなく、日本庭園でお茶を楽しみながら自然環境や生物多様性の保全に、能動的に関わるという新たなエコツーリズムのモデルになると考えています」と述べ、機会があればぜひ金沢を訪れ参加してほしいと呼びかけました。