SDGs実施指針改定 総括フォーラム 〜改定SDGs指針から読み解くSDGs達成への道筋〜

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  • 2020年2月10日


    「SDGs実施指針改定 総括フォーラム 〜改定SDGs指針から読み解くSDGs達成への道筋〜」が、SDGs市民社会ネットワーク および みんなのSDGs 共催、Future Earth Japan Hub 後援にて、2020年2月4日東京大学本郷キャンパスにおいて開催されました。本フォーラムでは、2019年12月に改定された「SDGs実施指針」について、改定の経緯、内容、課題などを総括するとともに、この実施指針を今後どのように活用してSDGs達成を目指すべきかを議論しました。

    本フォーラムには、吉田綾 外務省地球規模課題総括課課長、および様々な立場からSDGsに関わる10名のSDGs推進円卓会議構成委員が出席し、山口しのぶUNU-IAS所長も委員の一人として登壇しました。本フォーラムは一般公開で行われ、企業、地方自治体、協同組合、労働組合、市民団体、当事者団体などから人々が参加しました。

    まず外務省から、SDGs実施指針の内容と実施された改定の経緯について概要が示され、SDGs推進円卓会議の構成員10名から、それぞれ改定についての評価と意見が述べられました。総じて、改定の過程でパブリックコメントの成果がある程度組み込まれたことが評価される一方で、今後の課題として、SDGs達成を目指す具体的な行動をさらに積極的に行っていくことや、より幅広い立場の人々の声を議論に反映させていくことの必要性が指摘されました。

    山口しのぶUNU-IAS所長は、2019年9月6日に国連大学にて開催された「『SDGs実施指針』改定に向けたステークホルダー会議」の成果に基づいた提言書が9月9日実施の「SDGs推進円卓会議」において提出されたことに触れ、会議における様々な立場の人々の声がSDGs実施指針改定に影響を与えたと述べました。また改定実施指針において、ステークホルダー間の連携の重要性が更に強調され、多様な取り組みへの言及がなされたことを評価しました。続いて、研究・教育機関としてのUNU-IASの活動においては、科学的根拠に基づく研究活動を進め、SDGs進捗に資する政策提言を行うこと、研究成果を地域社会に適合させるかたちで地域の持続可能な発展に役立てることが重要であり、そのためには特にステークホルダー連携が不可欠であると指摘しました。また、持続可能な開発のための教育(ESD)に関して、新たな国際的な枠組みである ESD for 2030 (2019年12月採択)の中でも若者が重要な役割を果たす存在であることが明記されており、UNU-IASでは今後、ESD事業を通して関わっている世界174カ所のネットワーク拠点を活用して、科学的根拠となる事例やデータに基づく研究を進めようとしていると述べました。

    その後、参加者からは、社会における実態やSDGs進捗状況を評価する基準の在り方、取り組みを後押しする行政的な枠組みの重要性などについて質問が出て、積極的な意見交換が行われました。