地域に根ざした食がつなぐ生物文化多様性とランドスケープに関する国際ワークショップ

,

ニュース
  • 2016年3月16日     東京

    2016年3月8日から10日までの3日間、国連大学にて、地域に根ざした「食」がつなぐ生物文化多様性とランドスケープに関する国際ワークショップが開催され、生物文化多様性や都市と地方のつながりを保全し、持続可能なランドスケープを形成するための「食」について話し合われました。

    これまで人間の生活に様々な利益をもたらしてきた農作物の昔ながらの生産環境は、現在、社会経済学的要因により脅かされています。土地の利用の変化や、土地の放棄、都市化がその主な要因となっています。本ワークショップでは、国内および欧米諸国から国際的な専門家、研究者、地方行政担当者が集まり、ランドスケープの持続可能性を高めるための食のネットワークについて話し合いました。

    当日の議論のなかで、持続可能な食のネットワークに含まれるものとして、有機農業、直販、生産地の表示、地理的表示、趣味としての農業、都市農業、市場に出回らない農産物の共有などが挙げられました。今後、これらのネットワークを体系的に理解し活用することは、これまでの産業化された農業と農産物取引の形態とは独立に、生産者と消費者のつながりを強める新しい形態になりうることが期待されます。

    なお、本ワークショップで議論された概念的枠組みおよび事例は学術誌への投稿論文としてまとめられる予定です。

    本ワークショップは、平成25年度環境省環境研究総合推進費1-1303「生態系サービスのシナジーとトレードオフ評価とローカルガバナンスの構築」(研究代表:齊藤修・国連大学)の研究の一環として、里山イニシアティブ、HERCULESプロジェクトとの連携のもと執り行われました。