「世界農業遺産への道のり」新刊発行

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  • 2018年1月30日     金沢市

    GIAHS Booklet1月23日、UNU-IASいしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(OUIK)は、「世界農業遺産への道のり~国連大学と地域の歩み~」を刊行しました。

    国連大学は国連食料農業機関(FAO)が実施するGlobally Important Agricultural Heritage Systems (GIAHS) (世界農業遺産)の認定制度が発足した2002年からFAOに協力し、2009年から日本においてもGIAHSのコンセプトを広めてきました。本書はアジアを中心に各GIAHS地域とともに歩んできた世界農業遺産認定への道のりの記録として、国内外のGIAHS関係者による寄稿記事を収録しています。

    GIAHSは、重要な伝統的農業システム(林業と水産業を含む)とその生物多様性、伝統的知識、農村文化、そして持続的な利用を通じて維持される農業のランドスケープを正式に認定する制度です。伝統的農業を重視するGIAHSは、「過去の遺産」に対峙する「生きている遺産」として、持続的な進化を遂げ、さまざまな環境の変化に対応するもので、現代にも通用する歴史的な重要性と、人類の遺産としてのグローバルな重要性を兼ね備えた独創的な農文化システムといえます。

    本書では、UNU-IASがこれまで地域社会やさまざまなステークホルダーと連携しながら、貴重な農業遺産システムの保全のために、GIAHS認定に向けて取り組んできた過程を紹介し、日本とアジア各地のGIAHSの経験から、持続可能な地域 づくりに向けたGIAHS の価値を改めて問い直しています。