HLPFサイドイベントにて、グリーン/ブルーリカバリーにおける里山イニシアチブの役割を議論

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  • 2021年7月21日     オンライン

    2021年7月9日、UNU-IASは、国連持続可能な開発目標に関するハイレベル政治フォーラム2021(HLPF)のオンライン・サイドイベントを共催しました。本イベントでは、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックからの「より良い復興(build back better)」を目指す上でのSATOYAMAイニシアティブの役割を模索し、グリーンリカバリーとブルーリカバリーの必要性を強調しました。

    講演者が繰り返し述べた重要なメッセージは、COVID-19のパンデミックは生活のあらゆる側面に影響を及ぼしていますが、その解決策は私たちの周りの自然の中にあるということです。

    生物多様性条約事務局のデイビッド・クーパー副事務局長は、生物多様性の損失が、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を困難にしていることを強調し、ポスト2020生物多様性枠組に向けた取組を通じ、「自然と共生する世界」という最終目標を達成するために、私たちの経験が課題を克服するのにどのように貢献可能かを検討する必要があると述べました。国連開発計画(UNDP)のアドリアナ・ディヌ副次官は、パンデミックの危機は、自然と人の関係が分断された状況を見直すための警鐘であると説明し、これに対応していくにあたって、多様な利害関係者の関与とコミュニティベース・アプローチを推進するSATOYAMAイニシアティブおよびSATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)の価値を強調しました。

    ディスカッションの概要

    本イベントでは、SATOYAMAイニシアティブ推進プログラム(COMDEKS)を含むプログラムから、国や地方自治体の政策におけるランドスケープ・アプローチを制度化するための主要な教訓が提示されました。ニジェール、エクアドル、フィジー、トルコ、ベトナムからの経験が共有され、自然との共生を目指して、ランドスケープおよびシースケープ・アプローチを適用するための有益なナレッジの共有や、地域に根ざした優良事例が紹介されました。

    UNU-IASの山口しのぶ所長は、これらの事例から得られた教訓を総括し、持続可能な社会に向けた、革新的で変革的な変容のためには、先住民族や地域のナレッジが重要であることを強調しました。また、人と自然との関係性は、COVID-19のパンデミックからのより良い復興に不可欠であり、この変容は、先住民、地域社会、女性、そして若者を含む現地の利害関係者が、自分たちのランドスケープ・シースケープを管理する権限を与えられた場合にのみ可能であることを強調しました。山口所長は、UNU-IASが進める、社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)の現場での取組の推進に有益な、研究および能力開発プロジェクトについても紹介しました。

    公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)の武内和彦理事長は、ポスト2020生物多様性枠組および国連生態系回復の10年を支援するSATOYAMAイニシアティブの役割に焦点を当てました。

    笹川博義環境副大臣は、グリーンリカバリーとブルーリカバリーに向けたプラットフォームを提供するSATOYAMAイニシアティブの重要性を認識し、その取組に対する環境省の支援を約束しました。

    最後に、地球環境ファシリティ(GEF)のカルロス・マニュエル・ロドリゲス事務局長(CEO)兼評議会議長が、SATOYAMAイニシアティブが、「生物多様性の損失、気候変動、COVID-19という、私たちが直面している3つの危機に対する最良のワクチンである」と力強く述べ、本セッションを締めくくりました。

    主催

    本イベントは、生物多様性条約事務局(SCBD)が主催し、日本国環境省、国連開発計画(UNDP)、地球環境ファシリティ小規模融資プログラム(GEF SGP)、地球環境戦略研究機関(IGES)、並びにUNU-IASによって共催されました。