特集:国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)2021におけるUNU-IASの活動

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ニュース
  • 2021年7月19日

    UN Photo

    2021年7月6日から15日にかけて行われた、持続可能な開発に関する国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)の一環として、UNU-IASは、持続可能な開発目標(SDGs)に関するグローバルな政策対話に貢献しました。HLPFは、国連が持続可能な開発についての議論を行うための主要な対話の場(プラットフォーム)として創設されました。その主な役割は、SDGsの進捗状況を確認し、評価を行うことです。本年(2021年)のHLPFは、「経済・社会・環境の分野の持続可能な開発を促進するような、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックからの、持続可能でレジリエント(回復力のある)な復興:持続可能な開発の実現と行動の10年の文脈における、2030年アジェンダ達成のための包括的で効果的な道筋の構築(Sustainable and resilient recovery from the COVID-19 pandemic that promotes the economic, social and environmental dimensions of sustainable development: building an inclusive and effective path for the achievement of the 2030 Agenda in the context of the decade of action and delivery for sustainable development」を主題として、オンラインで開催されました。

    UNU-IASは、HLPFにて複数のサイドイベントを開催しました。そして、それらのイベントにおいて、SDGsに関連する分野の専門家として、ガバナンス、高等教育、生物多様性、気候変動の分野における研究およびネットワークに基づく成果を発表しました。

    これらの全てのイベントにおける共通のメッセージは、地球が現在直面している様々な危機の解決に取り組むためには、科学に基づいた包括的なアプローチが必要不可欠である、ということでした。人間、社会、経済に対してCOVID-19パンデミックが及ぼした深刻な影響は、SDGsを達成し、生物多様性の喪失を阻止し、気候変動に対応するための取り組みを瓦解させる危険性を孕んでおり、それは単独で、地球規模の持続可能な発達に対する最大の脅威であり続けています。これらの課題を克服するために、我々の経済・社会システムは、新たな機会とともに新たな課題を生み出すような、大規模な変革を求められています。我々は、人間が自然との調和のうちに生活するカーボンニュートラルな世界に向けた変容が、2030年アジェンダの原則:”誰一人取り残さない(leaving no-one behind)”に立脚するような、包摂的なプロセスを確実に実行しなければなりません。この、全ての人々に持続可能な未来を保証するような社会変革を実現するためには、政策立案に資する解決策志向の研究と、社会に跨る実践行動を結集するような、様々な関係者のパートナーシップが求められます。

    UNU-IASが開催したイベント

    HLPFサイドイベント
    カーボンニュートラルとトランスフォーメーション(社会変革):公平な変革を実現するために
    2021年7月6日
    UNU-IASは第一線で活躍する専門家を集め、2050年カーボンニュートラルを達成するために必要な社会的・経済的変革と、その変革を公正かつ包摂的に行う方法について議論しました。このオンライン・サイドイベントでは、カーボンニュートラルを達成するために鍵となる要件と、アフリカにおける、環境に配慮した移行(グリーン・トランジション)のための機会が確認されました。また、「誰一人取り残さない (leaving no one behind) 」というSDGsの理念に基づいた変革への道筋と、2030年までの「行動の10年」の期間に目標を達成するための、カーボンニュートラルとSDGsの相乗効果について意見が交わされました。

    詳しくはこちらの報告記事をご覧下さい:
    HLPF サイドイベントにて、2050カーボンニュートラルの達成に向けた公正で包摂的な社会変革について議論

    HLPF 特別イベント
    高等教育サステイナビリティ・イニシアティブ(HESI)特別イベント
    2021年7月7日
    このHLPF2021特別イベントでは、持続可能な開発を実現し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミックからの持続的でレジリエントな(回復力のある)復興をするために、高等教育が果たす役割の重要性が強調されました。UNU-IASをはじめとする高等教育サステイナビリティ・イニシアティブ  (HESI)のメンバーが主催したこのオンラインイベントでは、高等教育部門の主要な関係者が集まり、これらの重要な課題に対応するために教育をどのように再定義することができるかについて議論しました。

    詳しくはこちらの報告記事をご覧下さい:
    国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)特別イベントにて、COVID-19からの持続的な回復における高等教育の役割に注目

    HLPFサイドイベント
    健康な地球、健康な人々:グリーン/ブルーリカバリーにおけるSATOYAMAイニシアティブの役割
    2021年7月9日
    UNU-IAS は、共催したHLPFオンライン・サイドイベントにて、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックからの「より良い復興(build back better))を目指す上でのSATOYAMAイニシアティブの役割を模索し、グリーンリカバリーとブルーリカバリーの必要性を強調しました。講演者が繰り返し述べた重要なメッセージは、COVID-19のパンデミックは生活のあらゆる側面に影響を及ぼしていますが、その解決策は私たちの周りの自然の中にあるということです。本イベントは、生物多様性条約事務局(SCBD)が主催し、日本国環境省、国連開発計画(UNDP)、地球環境ファシリティ小規模融資プログラム(GEF SGP)、地球環境戦略研究機関(IGES)、並びにUNU-IASによって共催されました。

    詳しくはこちらの報告記事をご覧下さい:
    HLPFサイドイベントにて、グリーン/ブルーリカバリーにおけるSATOYAMAイニシアティブの役割を議論