国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)サイドイベント開催

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  • 2018年7月23日     ニューヨーク

    7月17日、UNU-IASは日本政府、国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)、地球環境戦略研究機関(IGES)、慶應大学SFCと共に国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)のサイドイベント「アジア太平洋地域の持続可能な都市づくり」を開催しました。これはSDGs11に焦点を当て、アジア太平洋地域の都市が直面する具体的な環境に関する課題を視野に、今後必要となる対策や進捗を把握するための方策を検討するものです。

    最初に高橋康夫 環境省地球環境審議官から開会挨拶があり、多様なステークホルダーによる国を超えたパートナーシップの構築、SDG11 の達成及び地球規模の対策支援のためのベストプラクティスを共有することの重要性を強調しました。続いてタッツ・ラファエル国連人間居住計画(UN-HABITAT)企画部ディレクターは、都市のSDGs実施を成功させるためには国と自治体が密に連携し、SDGsのローカライゼーションを支援することが極めて重要と述べました。

    基調講演では、蟹江憲史 慶應義塾大学教授・UNU-IASシニアリサーチフェローが、地域における行動が国やグローバルな対策の成功と関連すると述べ、SDGs達成の鍵となるのは相互学習の共通言語、対策の拡大、あらゆるレベルのガバナンスにおける行動、地域に適合する転換可能な政策・指標、更に企業セクターの積極的参加であると強調しました。

    パネルディスカッションでは竹本和彦 UNU-IAS所長がモデレータ―を務めました。議論の中で、内閣府の岡本直之氏は、レジリエントで環境配慮型の魅力的なコミュニティを作るための地域活性化対策を共有しました。また経済、社会、環境を通して相乗効果を促す地域のSDGsモデルづくりとして、日本のSDGs未来都市プロジェクトが紹介されました。

    UNESCAPのカティンカ・ウェバーガー氏は、UNU-IAS及びUNESCAPが共同で作成した「SDGs実施のためのマルチ・ステークホルダー・パートナーシップのためのガイドライン」を紹介し、強固なパートナーシップの構築、都市において持続可能な開発を行うための社会資本、オーナーシップ、説明責任、地域コミュニティのためのオープンな意思決定を強化することが必要であると強調しました。今回の議論を通し、アジア太平洋の都市、自治体における役割がより重要になってきていることが示されるとともに、地域全体での協力推進に向けた具体的な対策が必要であることが認識されました。

    ハイレベル政治フォーラム(HLPF)は7月 9日から18日、国連経済社会理事会(ECOSOC)の下ニューヨークで開催されました。このフォーラムは「持続可能な開発のための2030アジェンダ」、SDGs実施のフォローアップとレビューを地球規模で行うプラットフォームです。