国連ハイレベル政治フォーラム (HLPF) サイドイベント開催

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  • 2019年7月23日     ニューヨーク

    2019年7月15日、UNU-IASは、ニューヨークで開催された「持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム2019」(HLPF 2019)において、地域に根ざしたランドスケープ管理に関するサイドイベントを開催しました。

    このイベントのテーマは「SATOYAMAイニシアティブ  自然と共生する社会 ~ランドスケープとシースケープに関するコミュニティのための包括的アプローチ~」です。自然と共生する社会の実現を目指すSATOYAMAイニシアティブの活動が紹介され、統合的ランドスケープ管理アプローチを通じた世界的な取り組みから得られた教訓が共有されました。UNU-IASはSATOYAMAイニシアティブの活動を促進するために設立された国際パートナーシップ(IPSI)の事務局を務めています。

    また、ランドスケープ管理アプローチを実施している地域コミュニティの現地活動を支援し知見を共有するための推進プログラム(COMDEKS)についても発表されました。

    ディスカッションセッションの進行は竹本和彦UNU-IAS所長が務めました。また、武内和彦地球環境戦略研究機関(IGES)理事長・UNU-IAS上級客員教授が基調講演し、SATOYAMAイニシアティブとIPSIの活動は生物多様性条約(CBD)及び持続可能な開発目標(SDGs)の実現に大きく貢献することを強調しました。

    国別報告では、国連大使・常駐代表のドマ・ツエルン氏が、ブータンのガムリにおいてCOMDEKSの一環として実施されている分水界プロジェクトの事例を報告しました。また、コスタリカの国連副総裁であるクリスチャン・ギラメ・フェルナンド氏は、コミュニティの所有権が保全にとって重要であるという同国の教訓を共有しました。

    テクニカルプレゼンテーションでは、生物多様性条約(CBD)事務局の鈴木渉氏が生物多様性日本基金は途上国のキャパシティビルディングのための重要なツールであると強調しました。国連開発計画(UNDP)の渡辺洋子氏は、地球環境ファシリティー(GEF)小規模グラント・プログラム(SGP)及びCOMDEKSプログラムについて紹介しました。

    日本政府環境省の森下哲地球環境担当審議官、UNDP気候変動グローバルチームリーダーのステファン・ゴールド氏、また討議者を務めた欧州委員会のアストリッド・シューメイカー持続可能な開発担当ディレクターからの挨拶がありました。

    本イベントは、国連大学サステナビリティ高等研究所(UNU-IAS)、生物多様性条約(CBD)事務局、国連開発計画(UNDP)、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)、地球環境ファシリティ小規模グラントプログラム(GEF-SGP)、及びブータン、コスタリカ、日本の各政府との共催によりおこなわれました。参加者はSATOYAMAイニシアティブで提唱している包括的なアプローチがCOMDEKS等のプログラムと協力し、SDGs、「生物多様性戦略計画 2011-2020」、愛知目標などの国際的な取組を推進するとともに、2020年以降の生物多様性に関する地球規模の枠組みの基盤としての役割を担っていることを結論づけました。