生物多様性条約25周年記念シンポジウムを開催

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  • 2018年6月8日     東京

    Photo: GEOC

    UNU-IASは、5月24日、環境省、岡山大学、GEOC、SDSN JAPANとともに、「国際生物多様性の日シンポジウム 生物多様性とSDGs」を開催しました。本シンポジウムでは今年の国際テーマ「生物多様性条約25周年」を祝うとともに、地域や企業の生物多様性保全の取組事例や、活動を広げるために必要な戦略について議論を行いました。

    国連大学沖大幹上級副学長は、生物多様性の保全に貢献するUNU-IASの活動としてIPSIの運営やIPBESへの貢献、第1回アジア生物文化多様性国際会議など国際会議の開催等の活動について紹介し、今後も、環境省、生物多様性条約事務局、企業、地域社会などと連携しながら生物多様性の保全の取組の加速化に貢献してゆくと述べました。

    基調講演では、岡山大学槙野博史学長から地域課題の解決に向けて、同大学の研究と連携した観光・農業・福祉などの分野における取組事例が紹介されました。続いて登壇した武内和彦UNU-IAS上級客員教授/IGES理事長は、愛知目標とSDGsの密接な関係について解説し、地域の取組がグローバルな目標達成に繋がるという視点を持つことの重要性を強調しました。最後に、キリン株式会社野村隆治執行役員CSV戦略部長より、社会の課題解決を通じて、企業と社会の共有価値の創造を目指す事例として、持続可能な茶葉の調達に関する取組などが紹介されました。

    後半は、株式会社ウエスコ、山陽女子中学校・高等学校、環境省、キリン株式会社、岡山大学の代表者を交えパネルディスカッションが行われました。活動を継続する上での地元企業の役割や、人材育成におけるESD活動、そしてそれを促進するRCE拠点が果たす役割の重要性が強調されました。さらに、地域の活動の継続や発展には、GEOCと全国各地のEPOが果たすパートナーシップ促進や情報の拠点としての機能の重要性や生物多様性とSDGsを結びつけて取り組んでいくことの重要性が確認されました。

    最後に、環境省奥田直久自然環境局自然環境計画課長が閉会挨拶を行い、生物多様性保全の取組が広まるためには、生物多様の問題だけでなくSDGsが示す様々な課題と合わせて複合的に考えてゆくことが重要であると述べ、シンポジウムを締めくくりました。