IUCN70周年シンポジウム開催

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  • 2018年10月15日     東京

    10月2日UNU-IASは、国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)と共にIUCN70周年記念シンポジウム「自然を基盤としたSDGsの達成~日本から世界に発信する新しい協働~」を開催しました。

    第一部では、吉田正人IUCN-J2020準備会共同代表が、IUCN70年間の歴史とその中で生み出してきた自然環境保全のツールや仕組みを紹介しました。鼎談では、吉田正人IUCN-J2020準備会共同代表、鳥居敏男 環境省審議官、石原博 経団連自然保護協議会企画部会長が、これまでIUCNが日本で達成した事、今後SDGs主流化にどう貢献するかなどについて意見を交わしました。

    第二部では、インガー・アンダーセンIUCN事務局長がIUCNのSDGsに向けた取り組みを紹介しました。アンダーセン事務局長は、人間によって自然は危機にさらされ続けていると警鐘を鳴らした上で、これまでの保全活動が確実に成果をあげていると説明しました。そして、自然を基盤とした社会的課題解決(Nature Based Solutions)はSDGs達成に向けた費用対効果の高いアプローチであり、レジリエンスや生物多様性を生み出し、次世代により良い環境を残すことにもつながると語りました。また自然保全活動に投資することを負担と捉えるのではなく、未来への種を蒔き、可能性を拡げる行為と考えてほしいと提案しました。

    後半のパネルディスカッションのパネリストとして登壇した増田大美 UNU-IAS プログラム・コーディネーターは、「持続可能な開発のためのガバナンス」と題したプレゼンテーションを行いました。グローバル、地域、国家、地方レベルでのそれぞれのSDGsへの取り組みについて、SDGs未来都市の具体例も挙げながら説明しました。

    パネルディスカッションでは「日本から世界に発信する新しい協働」というテーマのもと議論が行われました。パネリストや参加者からは、SDGsの主流化が一部でしか進められていないという指摘があった一方で、SDGsを地域で活かすことで複数分野の連携や同時解決のアプローチが可能となり、新しいパートナーシップを展開するきっかけとなるとの意見が出されました。またIUCNの活動やSDGsについてもっと関心を持ってもらえるようにわかりやすく伝え、楽しんで取り組める方法についても活発な意見交換が行われました。