低炭素技術への革新的アプローチ 研究報告

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  • 2018年7月23日     横浜市

    Photo: UNU-IAS

    「第10回持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP2018)」2日目の19日、UNU-IASと公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)関西研究センターは、テーマ別会合「低炭素技術およびベストプラクティスの促進に向けた革新的アプローチ」を開催しました。

    セッションではリザンヌ・グルエンJSPS-UNU ポスドクフェローが、2015年から2017年にかけてUNU-IAS、IGES、アジア工科大学院(AIT)、東京大学が連携して実施した低炭素技術移転プロジェクトの概要と研究結果を説明しました。
    このプロジェクトは、ヨーロッパ諸国による低炭素技術移転の先進事例や、既存の国際協力の枠組みを活かした普及戦略を分析し、アジアの開発途上国に低炭素技術を普及するための効果的な方法を見出す目的で実施されました。

    グルエンJSPS-UNU ポスドクフェローは、低炭素技術移転を成功させるためには、技術のデモンストレーション、政策アドバイス、キャパシティビルディング(能力の習得と構築)が非常に重要であり、技術移転国と移転先の国双方が製品開発に関わり、現地での製造や研究開発を行うことが重要であると解説しました。
    また同セッションでは、ラビ・アブドゥサレムIGES関西研究センタープログラムマネージャーがインドと日本の低炭素技術の普及促進のための日本-インド技術マッチメイキングプラットフォーム(JITMAP)について紹介しました。

    後半のパネルディスカッションでは、グルエンJSPS-UNUポスドクフェローとアブドゥサレム氏が共同モデレーターを務め、国際機関、国、自治体それぞれの立場から技術移転の課題や促進に向けた革新的アプローチについて議論が行われました。低炭素技術の普及に向けて、知的財産権、現地調達、投資環境の整備、再生可能エネルギーといった知識の普及や中小企業の参画が重要であるとの認識が共有されました。