ルアンパバーンのユースが無形文化遺産保護のための解決策を発表

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  • 2022年10月30日     ラオス人民民主共和国 & オンライン

    Photo: 伝統芸術民族学センター(TAEC)

    2022年10月15日、ラオス人民民主共和国の街・ルアンパバーンで、無形文化遺産の保護強化を目的とした一連のワークショップ「ユース・アンバサダー・フォーラム」の最終発表会が開催され、25名のユース・アンバサダーが、自身の知識や技術を次世代に伝えたいと願う地元の無形文化遺産の職人たちのニーズに応えるための革新的な解決策を発表しました。

    参加者は、陶器作り、かご編み、伝統的な朗読、ラナド楽器など、現在もルアンパバーンで受け継がれている文化遺産に焦点を当て、デザイン思考のアプローチを用いて職人たちが直面している経済的、社会的、環境的課題の解決を目的とした試作プロジェクトの開発を行いました。

    陶器作り
    本グループは、伝統的および現代的な陶器を紹介し、地元の陶芸センターに関する情報を共有するとともに、解説ビデオやオンラインショップについて掲載したウェブサイトを立ち上げました。将来的には、若い世代が陶器作りの無形文化遺産的側面について学べるような、より大規模でアクセスしやすい陶芸センターを作ることを目指しています。

    別のグループは、地元の陶芸家と協力して、ラオスの花から着想を得た新しい装飾パターンをデザインしました。このデザインが生まれる過程はまた、若者と、多くの場合彼らの家族や近隣の人々である伝統的な職人とを改めて深く結びつける体験となりました。

    かご編み
    本グループは、地元のかご編みの職人の協力を得て、籐製の太陽電池ランプをデザインし、伝統工芸と環境に優しいエネルギー源を組み合わせることで、SDG目標7(エネルギーをみんなに。そしてクリーンに)をローカライズするための無形文化遺産を活用する方法を示しました。

    伝統的な朗読
    本グループは、失われつつある芸術への関心を高めるために、祭りや儀式で披露される朗読の起源と意義を説明するビデオクリップを作成しました。彼らは、若者たちが伝統的な朗読の内容や、意味、技術を学ぶことができるような教育センターの設立に向けた支援を得ることを希望しています。

    ラナド楽器
    本グループは、ラナド楽器とルアンパバーン伝統音楽センターに関する情報を紹介するFacebookページを作成しました。また、マイクロコントローラー基盤を使い、様々な素材を利用してラナドを演奏する方法を探りました。

    UNU-IASのジョンウィー・パク アカデミック・プログラム・オフィサー、メッシュ・マインズ(MeshMinds)のケイ・ポー・ゲック・ヴァシー創設者兼最高連携責任者、およびコンテンプレート文化コミュニティ(Contemplate Culture Community)の創設者兼遺産専門家であるアナ・ワイ・ユー・ヤウ氏より、発表に対するフィードバックや試作プロジェクト案をさらに発展させるアイデアについて提案がなされました。

    本セッションの録画動画は、ユネスコのYouTubeチャンネルからご覧頂けます。

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    「ユース・アンバサダー・フォーラム」は、グローバル・サステイナビリティ助成事業(GGS)」の一環として、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)とユネスコ・バンコク、東京工業大学、アジア太平洋無形文化遺産国際研修センター(CRIHAP)、伝統芸術民族学センター(TAEC)、ルアンパバーン世界遺産事務局、ルアンパバーン情報文化観光局、ラオ・ニューウェーブ・シネマ(LNWC)との協力のもと実施されました。