世界農業遺産システム(GIAHS)のモニタリングと評価の指針に関するマニュアルを発行

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  • 2022年3月22日

    UNU-IASは、韓国農村振興庁(RDA)と共同で、新たに「GIAHSモニタリングと評価のためのマニュアル-テクニカルレファレンス-」を発行しました。本マニュアルは、GIAHS地域のモニタリングと評価(M&E)プロセスの設計と実施のための指針を提供しています。具体的には、(1)GIAHSアクションプランで定義されたように、保全活動に不可欠なM&Eプロセスの重要性と有効性を強化すること、(2)アクションプランのもとで行われる活動を監視・評価するための特定の手順を通じてGIAHSの管理とガバナンスを支援すること、を目的として制作されました。本マニュアルは、現在、そして将来のGIAHS管理者のために役立つことと同時に、GIAHSのステークホルダーや、研究者、学生、その他農業遺産システムの持続可能な発展を推進することに関心のある、より幅広いオーディエンスのための包括的な情報リソースとして機能することを企図しています。

    GIAHSは、地域の文化的・農業的景観や生物学的環境、さらに広範な社会的環境と複雑に相互関連している、人間社会における生きた、進化するシステムです。2005年以降、韓国の5地域、日本の11地域を含む22カ国62地域が、国連食糧農業機関(FAO)によってGIAHSに指定されています。しかし、GIAHSプログラムには、M&Eに関するグローバルな指針がないため、各国・各地域が独自のM&E基準やプロセスを確立しているのが現状です。

    そのため、知識の集約を行うべく、2018年から韓国農村振興庁(RDA)とUNU-IASは共同研究プロジェクト「農業遺産システムにおける特性分析および保全管理に関する技術の導入」を実施してきました。本マニュアルは、韓国と日本の16のGIAHS地域の管理者や関係者の支援と協議のもとに生まれた、このパートナーシップの一つの成果です。