「地球規模課題解決に資する国際協力プログラム(GGS)」第三期中間報告会を開催

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  • 2019年12月6日

    UNU-IASは、2019年11月26日、文部科学省拠出国連大学助成事業「地球規模課題解決に資する国際協力プログラム (Grant for Global Sustainability: GGS)」第三期の中間報告会および審査会を行いました。現在、「包摂的で質の高い教育の実現に向けた課題解決」「女性のエンパワーメントとジェンダーが直面する課題解決」のテーマで実施中の2つのプロジェクトについて、東京大学大学院の教育学研究科付属学校教育高度化・効果検証センターと医学系研究科から、過去二年間におけるプロジェクトの進捗状況と成果に関する報告を受け、審査の結果、プロジェクト実施三年目となる来年2020年度の継続が承認されました。

    GGSは、文部科学省のサポートにより2015年度から実施されている助成事業です。採択プロジェクトは、持続可能な開発に関する分野に特化し、「持続可能な開発目標(SDGs)」に貢献しうる内容であることが求められています。各事業の概要と進捗状況は下記をご覧ください。
    中間報告書はこちらからダウンロードできます。

    ——

    テーマ1:包摂的で質の高い教育の実現に向けた課題解決

    東京大学大学院教育学研究科付属学校教育高度化・効果検証センター
    『持続可能な開発のための教育 (ESD) の推進を通した社会的レジリエンスの強化
    -モニタリング・評価枠組みと改善メカニズムの構築-』

    概要と進捗状況:
    本プロジェクトは、持続可能な社会構築を担う人材育成の学習アプローチとされる、持続可能な開発のための教育(ESD)及びグローバル・シチズンシップ教育(Global Citizenship Education and Development: GCED)のモニタリング・評価体制の整備と強化を通じて、SDGsの目標4.7に掲げられているESD/GCEDの量(施策)と質(学習を通じて育まれる能力の向上)の両面の拡充をはかることをねらいとしている。初年度は、1)ESD モニタリング評価の枠組みと指標群の整理・分析を実施し、2)同フレームワークの妥当性と有効性をボトムアップ型で検証するための現地調査(インドネシアでの海洋教育とカンボジアでの若者に対する交通安全教育の効果検証)を実施した。次年度は、ESD/GCEDモニタリングフレームワークと指標開発に取り組み、横浜市で「ESDに関する教員の意識調査(プレ調査)」を実施した。現中間時点での成果として、国際機関から学校レベルまで様々な関係者にESD/GCED推進のための適切なモニタリング・評価指標の開発の重要性と必要性が広く理解され、今後の検証ステップに向けて協力体制を整備されるとともに、モニタリング・評価フレームワークの開発についても、ESD/GCEDで目指すべきスキルと知識を整理し、評価指標とフレームワークの原案作成の段階に至った。

    事業地: 日本、カンボジア、インドネシア

    中間報告書のダウンロードこちらから。

     

    テーマ2:女性のエンパワーメントとジェンダーが直面する課題解決

    東京大学大学院医学系研究科
    『女性の社会進出が進むカンボジアにおける母子の保健・福祉向上の鍵』

    概要と進捗状況:
    本プロジェクトは、経済発展に伴い女性の雇用拡大が進んでいるカンボジアの新興工業地域で、平日昼間に女性が就業していることを前提とした健康・福祉サービスの提供モデルを確立し、母子の健康と福祉に及ぼす効果を明らかにする。それにより、女性が就労しつつも必要なケアを受けられるようにするとともに、配偶者等の家族と児の子育ての役割を分担できるようにする。現中間時点における進捗状況としては、本プロジェクトを実施する2地域での医療従事者への小児福祉状況の理解醸成、および、病院及び管轄地域において実施可能な介入活動への合意を形成した。カンボジア政府各省庁の政策担当者に対しては、女性・母親の就労増、養育者の多様化、小児福祉状況に対応する政策の必要性に関する合意を形成し、女性・母親の就労増、養育者の多様化に対応した就学前教育へのアクセス向上必要性への理解醸成を図った。また、プロジェクト実施地域における収集データを通じて、母子保健サービスのカバー率がサービス種類別に大きく異なること、父母の就労パターン(在宅または自宅周辺での就労かどうか)や公的健康保険加入状況により差があることを明らかにした。

    事業地: カンボジア

    中間報告書のダウンロードこちらから。

  • GGS 2018中間報告書_東京大学_テーマ1:包摂的で質の高い教育の実現に向けた課題解決

    (1.2 MB PDF)

    GGS 2018中間報告書_東京大学_テーマ2:女性のエンパワーメントとジェンダーが直面する課題解決

    (444.7 KB PDF)