2019年12月7日
UNU-IASと公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)は、「Satoyama Initiative Thematic Review vol.5(SATOYAMAイニシアティブ主題レビュー第5巻)」を刊行しました。本巻は、「社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)における持続可能な利用に関する多様な価値の理解(Understanding the Multiple Values Associated with Sustainable Use in Socio-ecological Production Landscapes and Seascapes)」をテーマとし、世界中のSATOYAMAイニシアティブ国際パートナー シップ(IPSI)メンバーより選定された11件のケーススタディを掲載しています。各ケーススタディでは、「自然の多様な価値(multiple values of nature)」が、生物多様性の持続可能な利用を通じてどのように提供、維持されているかについて考察しています。また、様々な社会・政治的および生態系の状況を考慮して、統合的かつ包括的なアプローチが、本質的かつ有益で合理的な価値をどのように提供し、生物多様性と人々の両方に経済的、社会的・文化的、生態学的な持続可能性をもたらすかを示しています。
本シリーズはUNU-IASの国際SATOYAMAイニシアティブが実施しているプロジェクトの一つとして、IGESの協力を得て発刊しています。各巻には、UNU-IASが運営事務局を務めるIPSIのメンバーから提出された多数のケーススタディと、それらから得られた教訓や優良事例をまとめています。
これまでのSatoyama Initiative Thematic Reviewのテーマは、それぞれ下記の通りです。
第1巻:「社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)のより良い管理に向けた知見の蓄積(Enhancing Knowledge for Better Management of Socio-ecological Production Landscapes and Seascapes)」
第2巻:「社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)の概念・アプローチの、政策・意思決定の主流化(Mainstreaming concepts and approaches of socio-ecological production landscapes and seascapes into policy and decision-making)」
第3巻:「持続可能な暮らしと社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(Sustainable livelihoods in socio-ecological production landscapes and seascapes)」
第4巻:「社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)における生物多様性の持続可能な利用及び効果的な地域ベースの保護への貢献(Sustainable Use of Biodiversity in Socio-ecological Production Landscapes and Seascapes (SEPLS) and its Contribution to Effective Area-based Conservation)」
各巻は、ランドスケープ・アプローチや持続可能性の様々な取組に従事する政策立案者や実践者、研究者など、幅広い読者に向けて有益な知見や教訓を提供しています。
本書の電子版は、こちら(英語)よりダウンロードいただけます。