SDGsに関する研究活動でUNU-IASと連携してきた金沢市が、「2020年度SDGs未来都市」に選定される

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ニュース
  • 2020年7月29日

    2020年7月17日、UNU-IASと持続可能な開発目標(SDGs)に関する研究活動で連携してきた金沢市が、「2020年度SDGs未来都市」および「自治体SDGsモデル事業」に選定されました。観光客が増加する中、金沢市は、自然・歴史・文化に基づく生物文化多様性を指針としながら、市民・来街者の双方がまちの魅力を共創し、持続可能なまちを実現することを目標としています。

    SDGsの達成に向け、UNU-IASいしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(OUIK)は、これまで金沢市との協働を進めてきました。2018年の「SDGsいしかわ・かなざわダイアローグシリーズ」をはじめとし、2019年3月に金沢市、金沢青年会議所、UNU-IAS OUIKの三者でSDGs共同宣言を行なってからは、金沢SDGsプロジェクトを「IMAGINE KANAZAWA 2030」と名づけ、協働を本格始動させました。SDGsや地域の課題への理解を深めることを目的とし、「SDGsカフェ」という、地域住民の方々が気軽に金沢の未来や地域課題について対話できる場を継続的に提供しています。また、SDGsミーティングでは、地域の様々なステークホルダー(関係者)と協力し、アイデアを出し合いながら2030年時点での金沢のありたい姿を示す「金沢ミライシナリオ」を作成しました。

     

    「SDGs未来都市」の制度について

    日本では2008年、持続可能な経済社会の実現に向け、「環境モデル都市」と「環境未来都市」を選定する制度が採用されました。今回金沢市が選定された「SDGs未来都市」は、「環境モデル都市」と「環境未来都市」に加えて、地方創生を一層促進することを目的として、SDGs達成に向けた取り組みを提案するものです。2018年度から各年度最大30都市が選定されており、石川県では珠洲市(2018年度)、白山市(2018年度)、小松市(2019年度)、今年新たに加賀市、能美市、金沢市が選定されました(自治体SDGsモデル事業としては金沢市が県内初)。これらは、17の目標からなるSDGsに関連する評価軸で選定されていることが特徴です。目標達成に向けた積極的な事業展開が期待されています。

     

    今後の計画

    今後もOUIKは、前述した三者の協力体制を基盤として、SDGsの啓発・周知公報、共創するコミュニティの形成など、様々な場面で協働を進めることを計画しています。特に、モデル事業の中でも重要な要素である、魅力的なSDGsツアーの開発において、金沢のグリーンインフラ(自然環境が有する機能を活かしたインフラストラクチャー計画)に基づく観光のあり方や、広域のSDGsツーリズム(SDGs達成に貢献する観光)の将来像に学術的な助言を行う役割を担っていきます。そのために、OUIKが長年の研究で培ってきた「日本庭園と金沢の持続可能性」を考えるワークショップ等の実践経験や、能登GIAHS(世界農業遺産)・白山ユネスコエコパークに関する研究成果を十分に活用していく予定です。

    UNU-IASいしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(OUIK)ウェブサイト上でのニュースはこちらからご覧いただけます。