UNU-IASポリシーブリーフ:開発途上国における包摂的なカーボンニュートラル戦略に関する提言

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  • 2023年5月2日     東京

    この新しいポリシー・ブリーフ(英題:Leaving No One Behind in Carbon Neutrality Strategies: Insights from Developing Countries in Asia and the Pacific)は、開発途上国における脆弱な立場の人々の参画や支援政策を含む、公正で公平なカーボンニュートラル社会への移行を確実に実施していくためのアプローチを示しています。また、政策立案者に対し、公的支援を確保しつつ、低炭素社会への取り組みにおいて生じる社会的、経済的な悪影響を緩和するための提言を行っています。

    著者はマヘスティ・オキタサリウッパラット・ コーワタナサクンです。本稿は、8カ国のアジア太平洋地域の開発途上国で採択された脱炭素戦略に対する分析に基づいています。

    概要

    地球温暖化を1.5度までに抑えるという気候目標を達成するためには、効果的なカーボンニュートラル戦略が不可欠です。そのためには、「誰一人取り残さない」という理念を踏まえた、包摂的で、レジリエント(回復力がある)、かつ持続可能な政策に親和性の高い戦略を採択することが課題となります。SDGsの理念をこれら戦略の核に据えることは、アジア太平洋地域の開発途上国において、脆弱な立場の人々への意図しなかったような不平等で不公正な悪影響を管理するのに役立ちます。

    提言

    • 脱炭素社会への移行によって生じる弊害を緩和するため、働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)を維持し、労働者の権利を強化する。
    • すべての人々の適切な生活水準を維持するため、気候変動政策と社会保障政策を統合させる。
    • 包摂的な気候変動プロジェクトへの投資を促進し、金融包摂に関する法律を整備する
    • 人間中心的でジェンダーに配慮したモニタリング、報告、評価のプロセスを確立する。

    リンクより全文(英語のみ)にアクセス可能。

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    サステイナビリティに関する課題解決に向けた最新の分析と提言を提供するUNU-IASプリシーブリーフ・シリーズのさらなる詳細については、こちらをご覧ください。