2022年8月25日 東京
本ポリシーブリーフ(英題:Supporting Vulnerable Populations in the Transition to Net Zero Emissions: Priorities for Developed Countries)は、先進国による最近の気候変動対策の分析結果に基づき、脆弱な立場にある人々への支援強化を通じて、ネットゼロ(温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする)社会への包摂的な移行を進めるための提言をまとめています。再生可能エネルギーや高効率のエネルギー機器などのクリーンエネルギー利用に困難な状況を抱える脆弱なグループを特定し、これら脆弱な立場の人々に対してクリーンエネルギーへの公平なアクセスを確保するための方策について、政策立案者に向けた指針を提供しています。著者は、竹本明生、アポリーン・クロス、鈴木政史、 ウッパラット・ コーワタナサクンです。
今世紀末までの気温上昇を産業革命前の1.5℃の⽔準に抑えるというパリ協定の目標達成のため、世界各国に、2050年までに温室効果ガスの排出量ネットゼロを実現することが求められています。そのためには、すべての者が再生可能エネルギーおよび高効率なエネルギー機器を利用することができる包摂的な社会を実現する必要があります。先進国が気候変動枠組条約に対して報告した最近の気候変動対策の分析結果から、低所得世帯、中小企業、遠隔地の住民、先住民族など脆弱な立場にある人々のグループによるクリーンエネルギー利用を促進するための様々な支援措置が提供されていることが分かりました。各国政府は、ネットゼロ社会への移行を促進させるため、脆弱なエネルギー利用者を特定するとともに、ガバナンスの改善、脆弱なエネルギー利用者に対する支援措置の強化など、すべての者によるクリーンエネルギーへの公平なアクセス確保のための主導的な役割を果たすことが求められます。
リンクより全文(英語のみ)にアクセス可能。
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