電子廃棄物と小児の健康に関する各国の専門知識についての調査報告

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  • 2014年3月5日     ボン

    国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)の専門家フェデリコ・マガリーニルーディガー・キュールによる最新の報告書には、電子廃棄物による小児の健康への影響に関して世界で初めて実施された調査の詳細な結果が収められています。オンラインによる本調査は、2013年5月から6月にかけて、ボンにあるUNU-IASのオペレーティング・ユニット(SCYCLE)と世界保健機関(WHO)により共同実施されました。

    疫学者、毒物学者、小児健康の専門家、政策立案者、企業やNGOの代表者など、139人から回答を得ることができました。本調査では、さまざまな廃棄電気・電子機器について、また保護装置の有効性についての認識および知識が評価されたほか、回答者に対して、業務上の電子廃棄物管理や小児の発育への影響に関する意見を求めました。

    調査結果では、危険な毒素と、これを含む電子廃棄物に関する知識に差異があることが示唆されました。その一例として、回答者は、人間の健康にとって最も危険な物質として水銀をあげていますが、水銀と同水準の危険性を持つ電子廃棄物カテゴリーであり、電子廃棄物となった場合に水銀の主な発生源となり得る省エネ照明器具を危険であるとは認識していません。

    電子廃棄物の分解には一般的に、ハンマー、ドライバー、カッターなどの簡素な道具が用いられます。ところが、かなり多くの回答者が、分解過程で環境汚染の主な原因となる燃焼や化学的抽出を、主な分解技術として利用していると答えました。

    本調査では、ほとんどの電子廃棄物プロジェクトがアジアとアフリカで実施されているにもかかわらず、実際にプロジェクトを運営している組織の拠点はアジアと欧州にあることが明らかになりました。このようなプロジェクトでは、リスク・暴露評価よりも政策課題が重要視される傾向があります。

    回答者が実施したプロジェクトの分析では、健康への影響は、薬品による火傷、癌、発育遅延などさまざまであることが判明しました。

    本調査では、電子廃棄物管理に関連した健康被害に対処する国際的な取り組みの必要性が強調されました。WHOが主導するこれらの取り組みでは、相補的な分野の専門知識を活用し、これを基に独自の知識を構築するために、他の組織がすでに実施している活動の足りない部分を補っていくべきです。そうすることで、世界各地で実施されている適正な電子廃棄物管理における個々の課題を考慮した全体的なアプローチを実現することができます。本調査回答者のほぼ9割が電子廃棄物への暴露と小児の健康に関するWHOネットワークへの参加に関心を示すなど、この取り組みを支持しています。

    最終報告書は「Related Files tab」よりダウンロードいただけます。さらに詳細な情報については「WHO website on e-waste issues」をご覧ください。

     

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    オペレーティング・ユニットであるSCYCLE(持続可能なサイクル)は以前、国連大学サステイナビリティと平和研究所(UNU-ISP)の一部でした。UNU-ISPは先ごろ、国連大学高等研究所と統合され、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)となりました。その結果、SCYCLEUNU-IASが発足した201411日付けでUNU-IASのオペレーティング・ユニットとなりました。