FUKUSHIMAグローバルコミュニケーション事業、最終報告書を発表

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  • 2016年8月5日

    UNU-IASの研究・発信事業「FUKUSHIMAグローバルコミュニケーション事業(FGC)」の最終報告書が発表されました。報告書には、研究結果、政策提言、結論が盛り込まれています。

    FGC事業は、2011年3月に発生した東日本大震災と福島第一原子力発電所事故が人々や社会に与えた影響、および福島の復興課題を分析して、国内外に発信することを目的とした国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)の研究事業です。原子力規制庁からの拠出金を受けて、2013年4月から2016年3月にかけて実施されました。本事業は国内外の専門家を交えた学際的なアプローチを用いており、その研究・発信活動は多岐にわたっています。これには、現地調査、専門家との協議、国際会議への参加や、ワークショップおよび公開イベントの実施が含まれています。

    本報告書は、研究成果を3つのテーマに分けてまとめています:(1)防災(災害リスク軽減)と国際政策からの教訓および国際政策のための教訓、(2)避難問題と生活再建、(3)リスクコミュニケーションと原子力事故。これらは、FGC事業の活動を通して、3.11の影響を理解し、それに対応していくために重要なテーマとして位置づけられました。本報告書では、3.11から派生した、多様かつ多くの場合において根強い社会的・経済的問題に焦点を当てて分析しています。

    これらは、福島や日本に限った問題ではありません。原発事故やそれに関連する政策対応の影響や課題は、世界各地において災害リスク軽減対策に非常に重要な教訓をもたらします。FGC事業の最終報告書で述べられている研究成果や提言は、災害復興やリスク軽減そして複合災害の社会的側面などへの対応に携わっている多くの国々の政策策定者にとって、有益なものとなるでしょう。