ISAPテーマ別セッション「持続可能な生産ランドスケープ・シースケープ」開催

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  • 2018年7月24日

    Photo: UNU-IAS

    2018年7月19日、UNU-IASは「持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP2018)」テーマ別セッション「持続可能な生産ランドスケープ・シースケープ:生物多様性と豊かな暮らし」を開催しました。

    開会挨拶で武内 和彦UNU-IAS上級客員教授/IGES理事長は、人と自然の共生社会を目指すプログラムである「SATOYAMAイニシアティブ」による持続可能なランドスケープ・シースケープマネジメントについて紹介しました。

    続いて田中 英二 UNU-IAS SATOYAMAイニシアティブコーディネーターが、セッションの目的と流れを説明し、3名のパネルスピーカーが生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学‐政策プラットフォーム(IPBES)アジア・オセアニア地域アセスメントについて、また持続可能なランドスケープ・マネジメントの事例を紹介しました。質疑応答セッションでは、ヘンリー・スケーブンスIGES自然資源・生態系サービス領域プログラムディレクターがモデレーターを務めました。

    <パネリストと発表内容>
    守分紀子IPBESアジア・オセアニア地域アセスメント技術支援機関(TSU-AP)代表は、今年3月コロンビアで開催されたIPBES第6回総会で公表された「IPBESアジア・オセアニア地域アセスメント報告書」の概要を紹介しました。アセスメントから浮かび上がった課題に対し、SATOYAMAイニシアティブがどのような貢献ができるかについても触れました。

    サシャ・アマルザマン氏(アデレード大学 グローバルフード&リソースセンター 博士課程在籍)は、今年UNU-IASが刊行したSATOYAMAイニシアティブ主題レビュー第三巻「持続可能な暮らしと社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ」の共著者です。セッションでは、本紙に掲載した生態系サービスの向上を通じて、小規模農家のレジリエンスを高めるインドネシアの取り組みを紹介しました。

    西牧孝行 佐渡市 産業観光部 農業政策課 生産振興係 係長は、佐渡のトキ放鳥10周年を迎えて、生物多様性の保全を重視した佐渡市の地域活性化の取り組みを紹介しました。

    統合的なランドスケープの視点で、人と自然の共生が促進されるような革新的なアクションをとることが「持続可能な開発目標(SDGs)」や生物多様性愛知目標の達成にもつながるとし、本セッションを終了しました。

    「持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)」は、国際的に活躍する専門家や政府、国際機関、企業、NGO関係者が一堂に会し、持続可能な開発についてアジア太平洋の視点から議論を行う国際フォーラムです。公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)とUNU-IASが年1回開催しており、今年で10回目を迎えました。