SDGsカフェ#20 インクルーシブ防災〜誰も取り残さない防災について考えよう〜

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  • 2022年9月28日

    2022年9月16日、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、第20回SDGsカフェ「インクルーシブ防災〜誰も取り残さない防災について考えよう〜」と題したイベントをオンラインで開催しました。本イベントでは、金沢市で起こりうる災害リスクについての知見を共有され、さまざまな立場の人々のニーズに配慮した「誰一人取り残さない防災」を実装するためにはどのような工夫が必要か、について議論が交わされました。本セッションは、持続可能な開発に関するセミナーシリーズである「SDGsカフェ」の一環としていしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(OUIK)の主催で行われました。

    「ほくりくアイドル部」のキャプテンである松井祐香里氏は、防災士の資格取得後に被災地域でのボランティア活動に参加した経験から、災害を自分事として捉え、身を守るために自覚を持って災害に備えることの重要性を強調しました。

    金沢大学人間社会研究域人間科学系の青木賢人准教授は、金沢市が抱える災害のリスクや避難拠点の運営計画、および地域住民が自ら参画して作成した地区防災計画について紹介し、平常時から多様な観点を反映した防災計画を策定しておくことの重要性を強調しました。

    東北大学災害科学国際研究所の原裕太助教は、高齢者、障害者、子ども、妊婦、外国人やLGBTQ+など様々な脆弱性を持つ人々が実際の災害時に避難所で直面する課題について、聞き取り調査に基づく知見を紹介しました。また、インクルーシブ防災を実践するには、多様な人々がそれぞれ異なる課題を抱えているということを知り、「誰一人取り残さない」ための対策を講じていくことが重要である、と強調しました。

    パネルディスカッションにおいても、実際に災害が起きる前の段階から異なる立場の人々からの多様な声に耳を傾け、様々な人々の声を防災計画の策定に反映していくことの重要性が強調されました。