ISAP2021オンライン会合にて、ランドスケープ・アプローチの利点が焦点に

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  • 2021年12月17日     東京

    2021年12月2日、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)は、第13回持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP2021)にて、オンライン会合を地球環境戦略研究機関(IGES)と共催しました。生物多様性と気候変動課題の相互依存性とランドスケープ・アプローチに焦点を当てたこのテーマ別会合「生物多様性、気候変動、持続可能な開発のコベネフィットのためのランドスケープ・アプローチ」では、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)のメンバーより、社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)に関する2つのケーススタディが紹介されました。

    武内和彦氏(IGES 理事長 、UNU-IAS客員教授)による基調講演では、気候変動および生物多様性の課題、人間の生活の質は相互に依存しており、気候変動と生物多様性に関する目標は相互に支え合っていることが強調されました。 SATOYAMAイニシアティブが国際的に推進するランドスケープ・アプローチを導入することで、生物多様性と気候変動の相互に関連する課題に取り組み、生物多様性、気候変動、人間の福利にコベネフィットをもたらされることが指摘されました。

    サシャ・アマルザマン氏(アデレード大学世界食料資源センター(GFAR) 博士候補生、ワールドアグロフォーレストリーセンター研究員)は、1つ目のケーススタディを発表し、インドネシアのスマトラ島から高地の生活と景観を改善するための気候変動への適応を強化するための知見を紹介しました。2つ目のケーススタディ「 South American Camelids as biocultural components in the Andean Altiplano of Argentina 」 は、ベロニカ・ロホ氏 VICAM 研究員、ルハン大学(アルゼンチン)助教授が発表しました。ヒマンガナ・グプタ 氏(UNU-IAS客員研究員、インド政府環境森林気候変動省コンサルタント)は、パネルディスカッションにて、IPSIメンバーが直接の経験を通して収集したデータを提供できるという、SATOYAMAイニシアティブの貢献を強調しました。また、このデータは、地域コミュニティの保護や、自然の自主回復の支援によって、SEPLSとその資源の持続可能な利用に焦点を当てた地域主導の取り組みを反映していることが説明されました。

    パネリストは、気候変動の緩和と持続可能な開発のための国際的なアジェンダの実施の鍵は、「地域のレンズ」を通じて、コミュニティ主導のイニシアティブとつながることである、ということを共有しました。また、コミュニティのニーズに合った持続可能性および保全戦略を構築するためには、他の地域の戦略をそのまま適用するのではなく、その地域の伝統的な知識を考慮することが重要であることも確認されました。

    奥田直久氏(日本国環境省自然環境局長)が閉会の辞を述べ、協力の重要性を強調し、生物多様性課題に取り組む団体にIPSIへの参加を呼びかけました。イベントの司会およびモデレーターは髙橋康夫氏(IGESリサーチマネージャー)が務めました。

    セッションの詳細と録画映像は、ISAP2021のウェブサイトにてご覧いただけます。