第9回世界サステナビリティ・フォーラムのセッション:高等教育における分野横断的なパートナーシップの重要性

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  • 2021年10月5日     オンライン

    2021年9月13日~15日に開催された第9回世界サステナビリティ・フォーラムの一環として、UNU-IASは「高等教育と研究 – 世界の大学はSDGsに向けてどのようにサステナビリティに取り組み、パートナーシップを構築しているか」というテーマのセッションで発表を行いました。国際大学協会(IAU)が主催した本セッションでは、持続可能な開発における高等教育の役割や、大学と高等教育機関との連携強化に焦点が当てられました。

    UNU-IASのパク・ジョンウィープログラム・オフィサー兼イノベーションと教育プログラムヘッドは、高等教育セクター内およびセクター間のパートナーシップの例を紹介しました。「高等教育における分野横断的なパートナーシップと、持続可能な開発に必要な理由」と題した発表において、パク博士は地域社会と協力し、研究成果を地域の行動に反映していくことで、高等教育分野におけるパートナーシップが重要な役割を果たすことを強調しました。

    また、181の持続可能な開発のための教育(ESD)に関する地域拠点(RCE)の世界的なネットワークの例を紹介し、ESDに関するグローバル・アクション・プログラムの期間中にRCEが実施したプロジェクトのうち54%は地元の大学が主導したものであることを強調しました。これらのプロジェクトは、UNU-IASの出版物「ローカルレベルにおける気候変動対策への取り組み(Tackling Climate Action at the Local Level)」にて紹介されています。

    UNU-IASが事務局を務めるアジア太平洋地域の50大学の大学から成るアジア太平洋環境大学院ネットワーク(ProSPER.Net)の事例も紹介されました。その中には、災害リスク軽減(DRR)教育の共同プロジェクトや、SDGsが組み込まれた共同学位プログラムなどが含まれています。

    パク博士は、高等教育への需要が高まっており、包括的かつすべての人に平等なアクセスを提供するシステムの確保が重要であると強調しました。UNU-IASは、持続可能な開発のための若いリーダーや研究者の育成を支援するために、民間企業や開発パートナーを動員して途上国の学生に奨学金を提供し、大学院の学位プログラムにおける将来設計の実現に取り組んでいます。

    本セッションの重要なメッセージとして、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核的なスローガンである「誰一人取り残さない」という目標の達成は、万人のための教育の確保にかかっていることが強調されました。最後に、ヒリッジ・ヴァントランド国際大学協会(IAU)事務総長は、世界に橋渡しをし、協力の仕組みを改善するために、様々な方法で連携し続ける必要があると締めくくりました。