持続可能な都市開発のためのアジア太平洋首長アカデミー 2021-2022開会セッション

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  • 2022年1月17日

    2021年12月14日、地域のリーダーの能力開発プログラムである、持続可能な都市開発のためのアジア太平洋首長アカデミー 2021-2022の開会セッションがオンラインで開催され、アジア太平洋地域の8か国から、持続可能な都市の実現に向けた課題解決に取り組む首長が参加しました。アジア太平洋首長アカデミーは、国連アジア太平洋経済社会委員会 (UNESCAP)、国連人間居住計画(UN-Habitat)、UNU-IAS、都市・自治体連合アジア太平洋支部(UCLG-ASPAC)、環太平洋大学協会(APRU)、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)による共同イニシアティブです。

    開会挨拶において、UNESCAPのアルミダ・サルシャ・アリシャバナ事務局長は、首長たちに、地域や国の関係者らを巻き込んでその参加を活用し、各都市において持続可能な変革が可能となるような文脈に各自の戦略を整合させるよう奨励しました。UN-Habitatのマイムナ・モド・シャリフ事務局長は、地域課題を把握するために現場で考え、国際社会のプラットフォームに参加して経験を共有することにより地球規模で行動し、各都市において持続可能な行動計画を実行するために知識を活用するよう求めました。UCLG-ASPACのベルナディア・チャンドラデヴィ事務局長は、持続可能な開発と回復に取り組む首長の尽力を称賛し、本アカデミーにおける学びとネットワーキングの機会を最大限に活用するよう促しました。UNU-IASの山口しのぶ所長は、人々の生活を向上させ、気候危機に立ち向かい、生物多様性の喪失を食い止めるための健全な都市生態系の必要性を強調しました。APRUのクリスティナ・シェーンレバー シニアディレクターは、本アカデミーは、各地域の持続可能かつ責任ある開発や、公平、グリーン、公正な都市への回復に向けて、首長が知識を獲得してネットワークを構築できるプラットフォームであると強調しました。IGESサステイナビリティ統合センターの藤野純一プログラムディレクターはパートナー機関からの挨拶を総括して、参加者が有意義な議論を行い、考えをグローバルに共有することへの希望を述べました。

    参加した首長たちは、自身の都市について紹介した後、UNESCAPのカヴェ・ザヘディ事務局次長の司会により、以前に開催されたアカデミーの参加者との討論会を行いました。2020年の修了者であるフィリピン・カウアヤン市のベルナルド・ダイ市長とイラン・テヘラン第9区のセイエド・モスタファ・ムーサヴィー前区長が学びの経験を共有し、それを地域の持続可能性への取り組みにどのように活かしたかを説明しました。ダイ市長は、自治体による自発的SDGsレビュー(Voluntary Local Review (VLR))に取り組んだことについて詳しく述べました。

    UNESCAPのカート・ギャリガン課長 (Sustainable Urban Development Section)はアカデミーの構成と研修方法など概要を説明しました。UNESCAPのサミューディン・アフメド氏はVLRをアカデミーのモジュールで取り上げることを説明しました。UN-Habitatの是澤優アジア太平洋地域代表はグローバルな開発の枠組みを概説し、地方のリーダーシップやローカライゼーションの重要性を強調しました。UNU-IASのマヘスティ・オキタサリリサーチアソシエイトは「アジア太平洋地域の都市の未来」と政策の道筋について紹介しました。

    続くブレークアウトセッションでは、気候変動に関するパリ協定の下で各国が決定する貢献(National Determined Contributions)の更新を中央政府が計画しているというシナリオについて議論しました。都市は、国別目標に貢献する気候行動を特定し促進するよう要請されていました。参加者は、優先度の高い三つの重点対策を発表し、誰を巻き込むのか、取り組みに対してどのように資金を調達し、点検するのか、詳しく説明しました。最後に、COVID-19からの回復に焦点を当てて2022年1月11日に開催される第二回セッションの概要説明がなされました。

    アジア太平洋首長アカデミーに関する詳細はこちらからご覧いただけます(英語のみ)。