2020年欧州地球科学連合総会:地球科学の知見をオンラインで共有

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  • 2020年5月15日

    2020年5月7日、オンラインで開催された2020年欧州地球科学連合(European Geosciences Union (EGU))総会において、UNU-IASで実施中の「持続可能な開発のための水」(WSD)事業に所属する研究者が、パネル・セッションを企画しました。本パネル・セッションは実況配信され、世界各国から約320名の参加を得ました。

    WSDの研究者であるジュリア・ロデルUNU-IASリサーチ・アソシエイトは、欧州を拠点に活動する大学や国際機関の研究者と共に、「地球科学と国連持続可能な開発目標:未来への道筋」を企画・運営しました。このオンライン・セッションは、地球科学が2030アジェンダと仙台防災枠組の推進に果たす役割を強調することを目的とするものです。

    同セッションでは、登壇者が、国際的な課題の達成に資する知見、ツール、実例を紹介しました。続くディスカッションでは、近年のデータ革命で興隆を見せる市民科学および地理空間情報のビッグ・データ(衛星画像、携帯電話のデータ、ソーシャルメディアなど)の重要性、世界的な水の危機への対応と国連持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた政策プロセスに、社会水文学がいかに情報源としての役割を果たすかなどが議論されました。登壇者の一人としてセッションに参加した福士謙介UNU-IASアカデミック・プログラム・オフィサーは、水質と排水処理制度を改善し持続可能な開発に向けた途上国の努力を支援するためには、多種多様なステークホルダーの参画が必要であると訴えました。

    WSDは、アジアにおいて水と地域の発展の関連性を評価するUNU-IASの研究事業です。地方の経済・環境・社会における水の役割と価値を解明し、アジアの開発途上国における水関連SDGsの達成に貢献することを目指しています。

    セッションで使用された発表資料や関連文書は、EGUのウエブサイトへの登録で閲覧可能です。資料に対するコメントの受付は2020年5月31日締め切りです。