2024年9月11日
Photo: Aya Mizuno / UNU-IAS
2024年8月31日、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)と公益財団法人イオン環境財団は、生物多様性国際ユース会議のサイドイベント「よこはま生物多様性フェスティバル」のミニステージにて、地球環境問題の解決に向けたユースの役割や政策への意思決定への意味ある参画をテーマにトークイベントを行いました。イベントでは、2024年にUNU-IASとイオン環境財団が共同で立ち上げた生物多様性分野を中心とした地球規模の課題解決を主導する人材育成プログラム「Global Youth MIDORI platform(GYM)」の紹介や、実際にGYMに参加したユースを招き、その経験やユースの意思決定の場への参画の現状と課題について共有しました。
UNU-IASの竹本明生プログラムヘッドは、地球規模の課題解決に向けては、ユース世代が可能な限り早期に政策決定プロセスに参画することが重要であると述べ、GYMを通じてこうした機会を提供するとともに、ユース世代への長期的な支援を提供することへの意欲を述べました。さらに、GYMを通じて、生物多様性の損失と気候変動や、脱炭素、循環経済など、相互に関連する課題への理解促進と統合的な取り組みの重要性を伝えていきたいと述べました。
イオン環境財団の吉永園氏は、同財団が2012年より実施してきたアジア学生交流環境フォーラム(ASEP)の知見も活かし、GYMではより国際的な場で活躍できるユースの人材育成を目指したいと述べました。また、GYM参加者に対するフォローアップやプラットフォームの構築を通じて、次年度以降の支援拡大につなげたいと期待を述べました。
その後、2名の学生がGYMの国際合同研修での経験を共有しました。中央大学理工学部人間総合理工学科の大塚澪さんは、生物多様性分野のみならず、教育や気候変動など、様々な分野で活動する学生が参加しており、議論を通じてお互いの活動を知ることで、社会の枠組みからの解決策を考えることや、SNSなどを通した発信の重要性を感じたと話しました。
また、東京大学大学院工学系研究科の富田凜太郎さんは、自分たちの活動や意見が周りからは“ユース”として捉えられることで、これまでと異なる革新的な視点が求められていると感じる一方で、従来の視点からの環境保全活動を尊重しているユースも存在しており、ユースとしての活動やユースらしさを考える機会となったと述べました。
その後、生物多様性国際ユース会議で行われた特別クロージングセッションでは、パネリストとして富田凜太郎さん(東京大学大学院工学系研究科)が登壇し、気候変動と生物多様性は密接に繋がっているにも関わらず、一般には地球環境問題として気候変動が多く取り上げられていると述べ、気候変動分野と生物多様性分野で活動をするユースをつなぐネットワークや交流できるプラットフォームの必要性を強調しました。